原発事故後の記録一冊に 民間団体有志、事実を共有し教訓次世代へ

市民活動の記録集を手にする鴫原さん(左端)ら

 東京電力福島第1原発事故後の暮らしの不安を、市民が中心となり払拭(ふっしょく)していった日々の記録集が発刊された。県内外の34団体の活動やデータをまとめた。母親や生産者の貴重な経験を後世につなぎ、教訓を生かしてもらう。
 タイトルは「3・11みんなのきろく みやぎのきろく」。A4判、160ページ。食品や土壌の放射性物質を調べる大河原町の「みんなの放射線測定室てとてと」など民間団体の有志6人が編集した。
 団体ごとの活動を写真を交えて紹介。子どもや食品の安全を守ろうと情報収集や行政への請願に奔走し、学校の放射線量を測定して除染につなげるなど、市民レベルの動きが広がりをみせたことがうかがえる。
 原発事故子ども・被災者支援法で県内が支援対象地域とならず、失望感が広がる中、4団体が県内延べ6910人に甲状腺検査を自主的に実施したことにも触れている。
 原発事故では、県の有識者会議が2012年2月に「健康調査の必要性はない」との見解を示した。記録集に携わった大河原町の大石朋絵さん(46)は「国も県も動かない。市民自らが手探りで地域の安全を積み上げていった」と振り返る。
 活動を記録として残そうと、東北大大学院の学術研究員鴫原敦子さん(49)=岩沼市=が中心となり、高木仁三郎市民科学基金を活用して500部を作った。
 鴫原さんは「原発事故の対応は長い目で検証されなければならない。市民や行政がどう動いたのか、事実を多くの人たちと共有したい」と話す。
 1部800円。連絡先はてとてと0224(86)3135。

関連タグ

原発事故・放射線」

復興再興

あの日から

復興の歩み

先頭に戻る