うたの泉(1443)詩に痩するといふこともなき歳晩の 今宵を煮えて濃きブリ大根/島田修三(しまだ・しゅうぞう)(1950年~)
2020年も間もなく終わります。どんな一年でしたか? 世界中、目に見えないウイルスに脅威を感じた一年でしたね。掲出歌は、ふふふ、と笑えたのち、じんわりとあったかさを感じます。詩に携わっているけれど、痩せるほどの切実さで賭けている訳ではなく。これでいいのかな、と思いつつ、これでいいだろう、と肯定もし…
関連リンク
- ・うたの泉(1442)大根を抜きたる穴に雪積もり やがて真白き雪原生まる/菅原恵子(すがわら・けいこ)(1938年~)
- ・うたの泉(1441)炭酸水うつくし 魚やわたくしが 棲むまでもなく泡を吐きゐる/川野芽生(かわの・めぐみ)(1991年~)
- ・うたの泉(1440)十字架に肌(はだへ)の白く俯けり 死につつ生きて人の名はある/松本実穂(まつもと・みほ)(生年非公表)
- ・うたの泉(1439)しづまりかへる露地を素通りしてゆけり 赤い尾鰭の郵便バイク/佐々木勢津子(ささき・せつこ)(1941年~)
- ・うたの泉(1438)そのかみに日本列島ありました 謎の言の葉「ただいま」「おかへり」/笹原玉子(ささはら・たまこ)(1948年~)