<アングル宮城>名取・閖上 10度目の冬点描 復興へ歩み確かに

<再生>震災から10回目の冬、朝日を浴びて輝く閖上地区=19日
<精魂>こうじ室(むろ)で蒸し米を精魂込めてこねる杜氏(とうじ)の佐々木淳平さん(41)=左=と妻で蔵人の朋子さん(40)。「震災後に、海の町で愛された酒蔵だったと改めて実感した」と語る=11月28日、名取市閖上の佐々木酒造店
<元気>リレー競技でマスクをして元気いっぱい駆け回る子どもたち。リレーに参加した9年生の高玉そらさん(14)は「昨年より、競技種目が少なくて寂しかったが、みんなが協力し合って楽しくできた」と笑顔で話した=10月24日、閖上小中

 酒米を蒸す甑(こしき)から湯気がもうもうと立ち上る。創業149年。清酒「宝船浪の音」の蔵元、名取市閖上の佐々木酒造店では新酒の仕込みと出荷に向けた作業が本格化している。蔵は東日本大震災で大きな被害を受けたが、昨年10月に現地再建を果たした。「支援してくれた人たちへ感謝の気持ちを込めて酒造りをしている」と、蔵元5代目の佐々木洋さん(44)は語る。

 閖上小中(児童・生徒298人)は、震災後3回目となる合同運動会を行った。当初は9月開催の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。子どもたちは検温チェックをしマスクを着用して、元気に校庭を駆け回った。

 新型コロナによって今年は修学旅行の被災地訪問が相次いで取りやめになった。唯一、栃木県さくら市南小の6年生84人が名取市を訪れた。市震災復興伝承館で市内各地を襲った津波の映像を視聴した6年生高橋紗永(さえ)さん(12)は「家族と話し合って震災の教訓を生かしたい」と話した。

 震災から間もなく10年。閖上地区は復興に向けて少しずつ歩みを進めていた。(写真部・小林一成)

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