うたの泉(1445)新しき手帳のにほひあたらしき こころに一月の予定を記す/上田三四二(うえだ・みよじ)(1923~1989年)
歌集『照徑』より。来年用の新しい手帳を購入された方も多いことでしょう。新しい手帳の匂いはいいものです。真新しいページに1月の予定を記入する時は厳粛な気分になり、高揚感があります。それを「あたらしきこころ」と捉え、新年への期待にあふれた一首です。「あたらしき」という語が繰り返され、明るくリズミカルに…
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- ・うたの泉(1440)十字架に肌(はだへ)の白く俯けり 死につつ生きて人の名はある/松本実穂(まつもと・みほ)(生年非公表)