鶏ふん不法投棄 堆肥利用地の確保難航 量多く処理方法限定的

 宮城県大崎市の養鶏農家の男性2人によって鶏ふんとその焼却灰が不法投棄されたとされる事件で、鶏ふんを肥料としてまく農地の確保が課題になっていることが13日、県への情報公開請求で分かった。
 県北部家畜保健衛生所は問題が発覚した昨年7月以降、現場を確認し、対応策を検討。しかし、当初から「(農家の)自己所有地だけでは還元面積が圧倒的に不足している」と認識されていた。
 9月の立ち入り検査後の作成文書では、「焼却灰であっても全量還元することは過剰施用となる」と懸念を示した。
 鶏ふんは家畜排せつ物の中でも窒素の含有率が高く、堆肥としてまき過ぎると茎が過剰に伸びて倒れやすくなったり、葉が生い茂って実がなりづらくなったりする。
 衛生所は現場近くのまとまった農地の所有者に頼んで使用する案を検討したが「以前、化成肥料の方が扱いやすいため断られた。鶏ふん堆肥の利用について(投棄した)農家からも働き掛けてもらうよう促した」と記し、解決策を模索する。
 穴に捨てられ、土などと混ざった可能性が高い鶏ふんに関し、(1)産業廃棄物として処理(2)農地にまく(3)遮水できるため池を作って一時保管(4)乾燥させる-の4案を検討。産廃としての処分費は1キロ当たり100円で、総額が億単位になる可能性がある。ため池などの整備費も多額になるため、農地にまく選択肢以外は難しいとみられる。
 県は鶏ふんを土壌改良材に転用し投棄現場で花などを育てる案を検討している。畜産課の担当者は「1カ所で試し、環境影響などを調べる必要がある」と説明し、全体の処理には時間がかかることを示唆する。
 県や県警によると、鶏舎を経営する60代と70代の男性が廃棄した総量は2000トン以上とみられる。
 県警は昨年12月、公訴時効が成立しない計900トン分について、廃棄物処理法違反の疑いで60代男性が経営する養鶏会社と2人を書類送検した。

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