白亜紀後期 国内最古のメタセコイア化石 福島・広野で見つかる

発見されたメタセコイアの球果の化石(福島県立博物館提供)
現生するメタセコイアから落下した球果(福島県立博物館提供)
猪瀬弘瑛・副主任学芸員

 福島県立博物館(福島県会津若松市)は19日、同県広野町の中生代白亜紀(約8800万年前)の地層で見つかった化石が「生きている化石」と呼ばれる落葉針葉樹メタセコイアの国内最古の化石と分かったと発表した。

 県立博物館の猪瀬弘瑛(ひろあき)副主任学芸員(37)=古生物学=が2016年1月、同町上北迫の山間部の沢で見つけた。直径十数センチの丸い石を割ったところ、中に直径約2センチのこれまで見たことのない化石が露出した。

 植物化石に詳しい国立科学博物館(東京)の矢部淳研究主幹の調査で、恐竜が存在した白亜紀後期のメタセコイア属の一種で、球果の化石と判明した。

 メタセコイアは国内では新生代(約6600万年前~現代)の化石が多数見つかっている。今回の発見は年代が確実な化石では最古といい、メタセコイアの進化をたどる上で貴重な標本だという。

 同町から福島県いわき市にかけての県沿岸部には中生代の地層が広がっており、1968年には同市で首長竜フタバスズキリュウの化石が見つかった。猪瀬学芸員は筑波大在学中から恐竜時代の地層に興味を持ち、県浜通り地方を頻繁に調査してきた。今回の発見場所は初めて訪れた場所だという。

 国内最古の化石は国立科学博物館で26日開幕する企画展「メタセコイア-生きている化石は語る」で4月4日まで展示される。猪瀬学芸員は「県沿岸が化石の宝庫であることを改めて実感させられた。さらに研究を進め、福島でも展示したい」と話す。

[メタセコイア]高さ25~30メートルになるスギ科の落葉針葉樹で、和名はアケボノスギ。日本で発見された化石を基に1941年に命名された。絶滅したとされていたが、46年に中国で現生種を発見。日本にも移植されて保存活動が広がり、「生きている化石」として全国各地の校庭や並木道に植えられた。

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