ホワイトアウト「前方に車、避けられず」 東北道多重事故 大破の車両 白く凍る

事故車両を調べる消防隊員ら=19日午後4時ごろ、大崎市古川の東北自動車道下り線

 ゴーッと鳴り響く風と地吹雪の先に、事故を起こしたトラックや乗用車が浮かび上がる。19日正午ごろ、多重衝突事故によって1人が死亡、多数のけが人が出た宮城県大崎市古川宮沢付近の東北自動車道下り線。事故当時は雪で視界が遮られるホワイトアウトが起きていたとみられる。現場には警察や消防の車両がサイレンを鳴らして集まり、物々しい雰囲気に包まれた。

 取材陣は同日夕、宮城県警高速隊の許可を得て長者原スマートインターチェンジから上り線を走って現地に入った。

 複数の乗用車が原形をとどめないほど大破し、180度スピンした乗用車や横を向いたトラックなどが数百メートルにわたって続く。

 トラックの後部に潜り込んだような乗用車や後輪が宙に浮いた車があり、激突のすさまじさを物語る。ミヤコーバスの車両もトラックに追突されて後部が変形し、前の乗用車にもぶつかって運転席のドアが曲がっていた。

 現場では東日本高速道路の職員が運転者に非常食を配って歩いた。消防署員らが取り残された人の有無を確認し、警察署員らが事故の状況を1台ずつ記録。その間も突風が吹き荒れ、数台先の車も見えない。

 午後4時半以降、事故に遭った車両が次々に長者原サービスエリアにレッカー車で移動した。

 仕事中に事故に遭った仙台市青葉区の男性会社員(24)は「吹雪で徐々に前が見えなくなった。前方に止まった車を見つけてとっさにハンドルを切ったがぶつかり、ドアが大破した。幸い、相手にも自分にもけがはなかったが、車内で5時間ぐらい待たされた」と青ざめた表情で話した。

 同日午後、現場付近には救急車が続々とサイレンを鳴らして到着。トリアージタッグ(識別票)を付けたけが人とみられる人たちが上り車線に止まったミヤコーバスに次々に乗り込んだ。救出活動と事故処理は日没後も続いた。

 現場は大崎平野の中心に位置し、北西の奥羽山脈方面から吹き付ける風の常襲地帯とされる。19日午前から風と雪が強まり、視界が利かない状態だった。気温は日中でも氷点下の状態が続き、救助作業に当たった救急隊員らの顔が凍り付くほどの寒さだった。

吹雪の東北道で140台が関係した多重事故 1人死亡2人重傷 宮城・大崎

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