50台が衝突、接触か 東北道多重事故「通行止めが早ければ」

多重事故に巻き込まれ、宮城県警による検分が行われた車両=20日午前11時15分、大崎市古川の長者原サービスエリア(写真の一部を加工しています)

 大崎市古川の東北自動車道下り線で19日に起きた多重事故で、宮城県警高速隊によると事故後に身動きが取れなくなった車両は141台で、うち約50台に衝突や接触によるとみられる損傷が確認された。関係車両は同日夜までに全て移動し、一部は現場から約4キロ北の東北道長者原サービスエリアにレッカー車などで運ばれた。

 東北道の大和-築館インターチェンジ間の上下線の通行止めは事故発生から約12時間後の19日深夜に解除された。

 同隊によると事故は19日午前11時50分ごろに発生。トラックや乗用車など複数台が相次いで衝突したとみられ、乗用車を運転していた一関市久保、無職須藤美洋さん(65)が全身を強く打ち死亡した。

 須藤さんが運転していた乗用車は、一時約800メートルにわたり連なった車列の中央よりやや後方にあり、前後をトラックに挟まれていた。男女18人がけがを負い、うち2人は重傷。現場周辺は事故発生時、吹雪で視界が悪い状態だったという。

 総務省消防庁によると、関係車両に乗っていた計約200人の一部は19日、大崎市が現場に手配した中型バスに一時、退避した。

急激な突風、対応難しく

 宮城県大崎市古川の東北自動車道下り線で19日に発生した多重事故は、現場付近で急激に風雪が強まって視界が遮られるホワイトアウト状態に陥ったことが原因となったとみられる。「早く通行止めにするべきだった」「判断は難しい」と道路管理に対する運転者の反応は割れた。

 仙台管区気象台によると、大崎市古川では同日午前5時以降、最大瞬間風速が15メートルを超える強風が吹いた。事故とほぼ同時刻の正午に1月としては観測開始以来、最も強い27・8メートルを記録。平均風速も18メートルを超えたため気象台は午後0時半に暴風警報を発表した。

 複数の運転者によると19日昼ごろ、事故現場から2キロ南にある古川インターチェンジ(IC)付近の北側で突風が吹いた。西側に広がる水田地帯に積もった雪が高速道に吹き込み、前方が見えなくなったため追突が多発した。

 横浜市の会社員石黒登美夫さん(63)はワゴン車で三沢市に向かう途中、追突された。自走ができたので大崎市三本木のホテルに宿泊したという。

 石黒さんは「19日昼は古川IC辺りまで普通の天気だったが、突風が吹いて視界が遮られた。ハザードランプをつけて減速し、前方に停車した車が見えたので急停止したら追突された」と振り返った。

 東日本高速道路に対して「早めに通行止めにするべきだった。防雪柵が役に立たなかった。もっと強化してほしかった」と訴えた。

 長者原サービスエリアで事故車のレッカー移動をしていた業者の男性は「冬季は頻繁に雪が舞い上がる。高速道路を通行止めにすれば国道や県道が混雑する」と指摘。レッカー車を運転していた別の50代の男性は「いつどのタイミングで通行止めにするか難しい判断だろう」とおもんばかった。

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