被災地での植栽振り返る 千葉大園芸学部がオンラインシンポ、交流継続「風化させない」

雄勝ローズファクトリーガーデンで住民と記念撮影する園芸学部の学生ら=2018年3月(千葉大秋田研究室提供)

 東日本大震災の津波被災地で住民と共に庭園や花壇造りに取り組む千葉大園芸学部が震災発生10年を前に、活動の軌跡を振り返るシンポジウムを開いた。学生や卒業生約30人がオンラインで被災者らと再会し、新型コロナウイルスの流行で活動が困難な中でも交流を続ける必要性を確認した。

 園芸学部は2011年7月以来、岩手県陸前高田市、釜石市、大槌町、宮城県石巻市、千葉県旭市を訪れ、仮設住宅や商店街、カフェの庭などで植栽活動や住民との交流イベントを展開してきた。これまでに関わった学生は約1500人に上る。シンポジウムは14日、千葉大松戸キャンパスと各地をつないで実施した。

 「国立大で唯一の園芸学部の学生として、花と緑で被災地を元気にするお手伝いがしたかった」。11年度に3年生だった卒業生の勝美直光さん(31)=松戸市出身=は、活動を始めたきっかけをこう説明した。

 何十回も東北に通ったという勝美さんは現在、在ケニア日本大使館で2等書記官として働く。一時帰国して参加した勝美さんは「私たちの活動は震災を風化させないためにも意味がある」と強調した。

 津波で流失した自宅の跡地に、学生らと「雄勝ローズファクトリーガーデン」を整備した石巻市の雄勝花物語代表理事の徳水利枝さん(59)は「社会で活躍するようになっても、就職前の原点に返って自分を見つめる場として使ってほしい」と話した。

 活動責任者で千葉大大学院園芸学研究科の秋田典子准教授(都市計画学)は宮城、福島両県で13日夜に最大震度6強を観測した地震に触れ「日本の生活と自然災害は切り離せない。津波で住めなくなった土地の利活用の一事例として活動を発展させたい」と語った。

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