若手職員に震災の教訓継承 当時の宮城県警幹部が経験紹介

震災の経験を語る元宮城県警幹部ら

 東日本大震災の経験と教訓を若手の警察官らに伝承しようと、宮城県警は17日、宮城県名取市の県警察学校で、当時の幹部の経験談を聴く震災伝承教養を開催した。
 震災当時の仙台東署長で、2011年5月から警備部長を務めた菅野敏彦さん(68)が基調講演し、地震発生直後の状況を振り返った。
 菅野さんは「数メートルの津波が来る」という情報を得て全署員を退避させた。翌日、津波が到達した地区を訪れ多数の遺体を確認し、当時の判断の正否を考えたという。「有事のときは優先順位を付けることが重要。それぞれの職場で考えてほしい」と訴えた。
 当時、本部長を務めた竹内直人さん(63)と、沿岸部の警察署長だった8人によるパネル討論もあった。
 震災で殉職した14人について、複数の登壇者が「代わりに自分が犠牲になればよかった」「逃げることも選択肢の一つだと伝えなかったことを悔やんでいる」と苦しい胸中を吐露した。
 南三陸署長だった新田恭一さん(70)は「職務遂行は重要だが、自分の身を守ることも考えてほしい。震災のことを繰り返し思い出して」と呼び掛けた。
 聴講した採用5年目の女性警察官は「自分が生きることで、救える命を増やしていきたい。最悪のケースを想定した準備が重要と感じた」と話した。
 採用10年未満の職員ら約200人が参加。震災の風化を防ごうと、初めて実施した。

河北新報のメルマガ登録はこちら
3.11大震災

復興再興

あの日から

復興の歩み

先頭に戻る