「伝承活動の歩み止めない」 宮城・気仙沼で語り部フォーラム

震災伝承への思いを語る登壇者ら

 東日本大震災の記憶や教訓を伝承する方策を探る「東北被災地語り部フォーラム」が28日、宮城県気仙沼市の気仙沼ホテル観洋であった。震災から10年を迎えるのを前に、参加者は震災伝承の歩みを振り返り、これからの語り部活動への課題や思いを共有した。

 気仙沼市や同県南三陸町で語り部活動を行う団体などでつくる実行委員会が主催し、約100人が参加。動画投稿サイト「ユーチューブ」でも配信した。

 パネル討論には、児童と教職員計84人が犠牲になった同県石巻市大川小の児童遺族らでつくる「大川伝承の会」共同代表の佐藤敏郎さん(57)が登壇。昨年、初めて大川小で宮城県の新任校長の研修会が開かれたことに触れ「伝承は始まったばかりだ。10年で終わらせず、防災の本質的な報道も続けてほしい」と訴えた。

 東京電力福島第1原発事故で被災した福島県富岡町のNPO法人「富岡町3・11を語る会」代表の青木淑子さん(73)は「命と生活を守る知恵を若い世代と考え続ける必要がある。将来、事故をきっかけに変われたと富岡で語り合える日を夢見ている」と述べた。

 宮城県塩釜市の丸文松島汽船の船上で語り部をする横山純子さん(62)は「記憶の風化は仕方がない。伝え続けなければならない」と強調。岩手県大船渡市の大船渡津波伝承館館長の斉藤賢治さん(73)は「知らない防災行動は取れない。災害を経験したからこそ伝えられることがある」と呼び掛けた。

 震災伝承の手法などを考える講演や分科会もあった。参加者は1日、気仙沼市や岩手県陸前高田市、南三陸町の震災伝承施設などを巡り、復興状況を視察する。

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