24人犠牲の公民館跡に鎮魂碑 陸前高田・仲町 元住民建立

仲町公民館跡地に建立された鎮魂碑=28日、陸前高田市気仙町

 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市気仙町今泉地区にある仲町町内会の元住民が28日、公民館跡地に鎮魂碑を建立した。あの日、多くの住民が市指定避難所の公民館に避難し、24人が死亡・行方不明になった。別々の地で住宅を再建した人々は「心がつながれる」と、名前の刻まれた一人一人や在りし日の集落に思いをはせた。

 仲町には約30世帯約70人が暮らしていた。高齢者をリヤカーに乗せて避難訓練するなど団結力が強かった。震災発生当日も住民らが公民館で津波に襲われ、半数が行方不明となった。

 住民は市内外に散り散りになり、町内会は解散した。造成に時間がかかるなどして古里に戻る意向は減った。それでも「絆の会」を立ち上げ、命日に集まったり「虎舞」を再開したりして親睦を深めてきた。

 28日の除幕式には、元住民や親類ら約50人が参加した。集落跡地で唯一自宅を再建した三嶋和子さん(77)は、行方不明の夫と長男の名前が並んだ碑を前に「近くにいる気がする。家から毎日眺めて声を掛けたり、花を供えたりしたい」と話した。

 公民館で津波に流されながらも助かった村上馨さん(79)は「思い出が詰まったこの場に立つと、悔しさと悲しみがこみ上げる」と声を震わせた。震災後の混乱で弔問できなかった犠牲者もおり、「絆が強く、家族同然だった」と祈りをささげた。

 絆の会会長で、妻と次女を失った岩渕達夫さん(67)は「10年は区切りではない。生かされた私たちは犠牲者に心を寄せ、前に進むしかない」と語った。

 鎮魂碑は元住民たちが建立費を負担した。清掃などを通じて、今後も集まる機会を設ける考えだ。

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