風評対策徹底へ財源確保 平沢復興相に聞く

インタビューに応じる平沢復興相

 東日本大震災から10年を迎えるのを前に、政府は近く第2期復興・創生期間(2021~25年度)の復興基本方針を改定する。平沢勝栄復興相はインタビューに答え、東京電力福島第1原発事故に伴う風評被害対策を念頭に置いて柔軟に財源を確保する考えを示した。

 -基本方針で今後5年間の事業費を1兆6000億円程度と見込んだ。

 「財源フレームは被災3県と調整して決めた金額で基本的に賄えると考える。何か事情が変わった場合や、特に原子力被災地域では必要に応じて事業規模や財源を見直したい」

 -原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出方針が決まれば、風評被害の拡大が懸念される。

 「処分方法が決まったわけではないが、たとえどんな形を選んでも風評被害は生じる。方針決定から実際の処分開始までは約2年を要するとされ、その間に徹底した対策を講じる」

 -風評対策として、21年度当初予算に過去最大の20億円を計上した。

 「本音を言えばもっと予算を確保したかった。福島県の農林水産物はいまだに諸外国で厳しい輸入規制を受けている。科学的根拠に基づかない差別に黙ってはいられない。あらゆる手段で安全性を訴えていく」

 -震災10年を前に、巨額の復興予算がどう使われたか検証する必要もある。

 「東電に求償する経費を含め計約35兆円の予算が投じられ、うち13兆円をハード事業が占めた。『人が住まない地域に防潮堤が造られた』との批判もあるが、地元の了解を得た結果だ。整備した621カ所中、約3割(197カ所)で高さや位置の見直しもした。防災集団移転事業は跡地の利活用を検討していく」

 -福島の特定復興再生拠点区域(復興拠点)を除く帰還困難区域の取り扱いも結論が急がれる。

 「帰還困難区域は福島県の面積の2・4%を占め、放ってはおけない。地元住民からも『解除するのかどうか政府が結論を出さないと人生設計ができない』と指摘を受けた。難しい課題だけに、政府内で迅速かつ慎重に判断していく」

河北新報のメルマガ登録はこちら
3.11大震災

復興再興

あの日から

復興の歩み


企画特集

先頭に戻る