大川小の遺族ら静かに祈る 「ここで起きたことを知って」

大川小に向かい、早朝から祈りをささげる人たち=11日午前7時45分ごろ、石巻市釜谷

 東日本大震災の津波で児童70人が死亡、4人が行方不明となり、教職員10人が犠牲となった石巻市大川小には11日、早朝から多くの遺族らが訪れた。遺族会主催の法要は新型コロナウイルスの影響で昨年に続き中止となったが、震災発生時刻には100人以上が集まり、冥福を祈った。

 校舎周辺は震災遺構の整備工事が進み、立ち入りができるのは入り口付近だけ。来訪者は駐車場の献花台に花を手向けたり、入り口近くに設置された大川小の事故を伝える写真パネルを見たりした。

 3年の長男健太君=当時(9)=を失った佐藤美広さん(59)は「10年たっても息子がいない悲しみは変わらない。多くの人に大川小に来てもらい、ここで起きたことを知ってほしい」と語った。

 6年の次女みずほさん=同(12)=を亡くした佐藤敏郎さん(57)は、校舎の裏山に立ち、NPO法人「カタリバ」(東京)の企画でオンラインの防災授業を実施した。

 大川小の児童と教職員が津波襲来直前まで校庭にとどまったことを説明。参加した全国の小学生ら2000人以上に「なぜあの時、逃げることができなかったのか」と問い掛け、意見を交わした。

 佐藤さんは「宮城県では災害が起きる想定があったのに対策が不十分だった」と指摘。「震災10年と言われる今は『次の震災前』でもある。何事もない時に備えることが重要だ」と呼び掛けた。(氏家清志)

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