<ペット考現学>(4)ウサギ④/鳥に見立て数える風習

ウサギくん集合! さて「何羽」いる?

 ウサギの数え方の一つに「羽」がありますが、なぜ鳥でもないウサギを「羽」で数えることがあるのか不思議に思ったことはありませんか。この話には諸説ありますので与太話の一つとしてお読みください。

 まずは、その昔、四つの足を持つ獣を食べることのできない僧侶がどうにかしてウサギを食べたいという気持ちから、2本足で立つ(ウサギは周囲の様子を確認するために2本足で立つことがあります)ウサギの姿を見て「これは鳥類だ」と無理やりな理由を付けて食べたという説です。

 また、ウサギの大きくて長い耳が鳥の羽に見えることからこれは鳥だ、とする説もあります。面白いものですと、何とか鳥に見立てるために「名前に鵜(う)と鷺(さぎ)が入っているから鳥だ!」なんて強引なものまであります。確かに、ウサギが「鵜鷺」と無理やりな解釈をされ、鳥の仲間と認識されていたら「羽」で数える習慣が定着しても不思議ではなさそうですね。

 さて、そもそもなぜそうまでして鳥に見立てる必要があったのか。そこにはこんな話も残されています。江戸時代、5代将軍徳川綱吉によって発令された「生類憐みの令」によって生き物を殺生することが禁じられました。それは犬や猫に限らずウシやブタ、ウサギも4本足の動物として対象となります。しかし、ウサギは山間部に生活している人たちにとっては特に重要なタンパク源であり、生きていくのにどうしても必要だったのです。そこへ生類憐みの令が発令されたのですから大変。しかし、この生類憐みの令には当初大きな抜け穴があったそうなのです。なんと、鳥は殺生禁止に含まれなかったのです。そこに目を付けて先ほどのようにこじつけの理由でウサギは鳥だから食べてもよいとしたその名残として「羽」と数える風習が残ったそうです。

 今ではウサギを「羽」で数えることは少なくなり、「匹」で数えるのが標準的になっています。他にも幾つかの説を聞いたことがありますが、どれもはっきりとした詳細な文献や記録が残っていないため、事実に裏付けられた有力な説ではなさそうです。

 私が以前聞いた話で面白かったのは「人が抱えられる大きさの生き物は1匹、抱えられないほど大きな生き物は1頭」と数えるという話です。これは、猟師さんの話を聞いたものなのですが、なんとも豪快で、つい納得してしまう面白い話だったことを思い出しました。
(仙台総合ペット専門学校教務課長・菅原学)

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ペットとの暮らし

仙台市在住の獣医師が、犬や猫をはじめ、ウサギなど小動物の飼い方を、生態や習性を踏まえて、詳しく分かりやすくアドバイスします。

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