55年間一日も欠かさず 小学校のハクチョウ観察記録、研究論文に 青森・平内

 ハクチョウの飛来地として知られる青森県平内町の旧浅所小(2011年閉校)の児童が半世紀にわたって続けた観察記録が、研究論文として国際学術誌に掲載された。天候と飛来数の関係性などを分析する手がかりになる貴重なデータと評価された。関係者は「長年の成果が形になってうれしい」と喜ぶ。
 同校近くの浅所海岸周辺に飛来するハクチョウが国の特別天然記念物に指定されたのをきっかけに1955年、学校挙げての観察が始まった。10月中旬〜4月上旬、週末も含めて当番制で朝夕2回、成鳥と幼鳥の数と飛来場所、気温や風向・風速などを記録。閉校直前の2010年までの55年間、1日も欠かさず続けた。
 地元の自然保護グループ「白鳥を守る会」が、閉校後の校舎に保管してあった観察記録を整理し、卒業生らに配ることを計画。町の環境調査に関わっていた八戸工業大の田中義幸教授(生態学)らが英訳してオンラインの学術誌に投稿、2月に掲載された。
 田中教授によると、掲載前の査読では、長期にわたる観察記録として高い評価を受けた。田中教授は「護岸工事など人間が生態系に与える影響やハクチョウが植生に及ぼす影響などの解析が期待でき、学術的価値が高い」と話す。
 守る会理事で町職員の小形正樹さん(48)は「お正月も氷点下の日も児童が長年記録を続けた成果が、世界中に発表されるのは素晴らしいことだ」と話した。

河北新報のメルマガ登録はこちら

第68回春季東北地区高校野球
宮城大会 組み合わせ表

先頭に戻る