「時短要請は妥当」「周知期間短い」 宮城の市町村、理解と戸惑い

宮城県内の市町村長にオンラインで時短要請の必要性を訴える村井知事(左手前)と郡市長=県庁

 
 新型コロナウイルスの感染急拡大を踏まえ、宮城県は2日の市町村長会議で、仙台市内の酒類提供店に対する時短営業要請を5日、県内全域に広げる方針を示した。「感染を封じ込める妥当な判断」と多くの市町村長が理解を示したが、周知期間の短さや地域経済への影響を不安視する声も続出し、手探りの対策を印象付けた。

 オンラインで行われた会議は全35市町村の首長らが出席し、村井嘉浩知事が仙台市以外への時短要請の概要を説明した。同席した郡和子仙台市長は感染が各地に飛び火する状況を念頭に「重く受け止める。連携を密にし、感染防止に取り組んでほしい」と訴えた。

 県市長会長の伊藤康志大崎市長は県内の現状を「パンデミック(世界的大流行)」と表現し、「極めて大事な1カ月だ」と時短要請を了承。県町村会長の佐藤仁南三陸町長も「やむを得ない」と同調した。

 一方で、複数の首長が時短要請の開始が3日後の4月5日に迫っている点に言及。「異動期で土日も挟む。職員を配置できるかどうか」(熊谷盛広登米市長)「対応が間に合わないと大変だ」(山田司郎名取市長)といった懸念が相次いだ。

 佐藤町長は、県内の感染状況が「ステージ4」(爆発的)に該当する指標が多く、政府の緊急事態宣言の水準に近いと指摘。「県民に分かりやすく示してほしい」と注文した。

 行楽地を抱える複数の首長は昨年の同時期に出された緊急事態宣言を振り返り、地域経済への打撃を憂慮した。今回の時短要請が大型連休の最終日まで続くため、「去年と同じ。観光地への足は止まる」との嘆きも漏れた。

 地域によって感染状況にばらつきがあり、須田善明女川町長は「解除の時期をエリア別に対応を考えてはどうか」と提案。菅原茂気仙沼市長も「自治体によって感染にタイムラグが出ている」と分析し、柔軟な対応を求めた。

 人気歌手のコンサート会場などとして利用される県総合運動公園(グランディ21)を抱える利府町。熊谷大町長は、イベントの最大収容人数を5000人とする国の指針を不安視し、「予防対策の徹底、周知を」と強く求めた。

 村井知事は地域経済への悪影響を受け止めつつ、「収束後、必ずカンフル剤を打つ」と強調。時短要請の期間は全県統一が前提としながらも「感染に相当な差が出たら、また話し合って決めたい」と述べ、何度も「協力を」と繰り返した。

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