大麻の売買 SNSで活況 外出自粛が影響? 海外滞在中に手を出すケースも

密売人とみられる人物と通信アプリで交わしたメッセージの一部

 大麻取締法違反による検挙者が増え続けている。法務省の2020年版犯罪白書によると、19年は全国で6年連続増となる4570人に上り、過去最多を更新。未成年と20代の増加が顕著だ。会員制交流サイト(SNS)には平然と取引を促す投稿があり、東北でも若者らが手を出しやすい環境となっている。

 「野菜」「手押し」

 ツイッターの機能を用い、特定の言葉を組み合わせて検索すると、密売人とみられる複数のアカウントに行き着く。「野菜」は大麻、「手押し」は手渡しの販売を示す隠語だ。

 売人らしき人物の大半は、メッセージを自動消去できる機能を備える別の通信アプリ上で取引を求める。

 宮城県内での売買を募っていた人物に、別のアプリで販売内容を尋ねるメッセージを送った。

 すぐに返信がきた。

 「トビ(効き目)も見た目も間違いは無い」「1個7000えんです!」

 売れ行きを聞くと「順調です」。取材を申し込むため身分を明かした途端、返信が途絶えた。

 宮城県警の捜査関係者は、ネットを介し取引できる手軽さに加え、覚醒剤の10分の1程度とされる価格の低さを、大麻がまん延する要因に挙げる。新型コロナウイルス禍による悪影響も「無視できない」と言い、外出を控えネットで大麻を買う人が増えた可能性を指摘する。

 仙台地裁で昨年12月、石巻市の男(22)が大麻取締法違反(所持)の罪で有罪判決を受けた。法廷供述などによると、音楽活動をしていた男は大麻を礼賛する海外のアーティストに憧れ「自分もいい歌詞を書きたい」と使用に至った。

 規制薬物の大麻に対する抵抗感は薄かった。

 「東京・新宿の歌舞伎町で、黒人に話し掛けると大麻を買える」。飲み会の罰ゲームで、仲間内のうわさを試すことになり、実際に買うことができたという。

 海外での使用歴が国内での犯罪につながるケースもあった。宮城県内で大麻草計293株を栽培したなどとして3月、懲役4年6月の実刑判決を受けた男2人は、いずれも海外滞在中に大麻に手を染めていた。

 2人のうち、会社役員の男(38)=控訴=は被告人質問で「育った米国では周囲に大麻があった。たばこや酒のように害が少ないと正当化し、違法性に目を背けていた」と述べた。

 厚生労働省は大麻が学習能力の低下や幻覚作用、生殖機能への異常などを招くと注意を促している。海外では近年、カナダが18年に嗜好(しこう)品としての大麻の所持や使用を合法化するなど一部で許容する動きがあり、依存性や体への害を否定する誤った認識が広がっているとされる。

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連

企画特集

先頭に戻る