「同じ地滑り繰り返された」 盛り土宅地の現状報告

盛り土で造成された宅地を巡る課題を報告した大会

 東日本大震災の発生から10年を経過したことに合わせ、建築士や弁護士らでつくる欠陥住宅被害全国連絡協議会は、仙台市青葉区の仙台弁護士会館を拠点に、ウェブ形式の全国大会を開いた。被災した宅地を例に、研究者が現状や課題を報告し、被害の根絶に向けた施策の実現などを求めた。

 「震災後10年 残された課題」と題して講演した京都大防災研究所の釜井俊孝教授は、盛り土で造成した多くの斜面が被害に遭ったと指摘。1978年の宮城県沖地震の教訓が生かされず、仙台市太白区緑ケ丘の宅地で、同じ地滑りが繰り返されたことを紹介した。

 釜井教授は対策工事などを巡る住民と行政間の対話不足を問題視し「ハード面の復旧にとどまらず、復興を支える社会制度の議論が必要だ」と強調。盛り土で造成された土地の固定資産税を減額し「災害リスク税」を新たに課すなどし、危険性を可視化するといった対策が必要と提案した。

 同協議会代表幹事の吉岡和弘弁護士(仙台弁護士会)は「被災宅地の課題は、この10年でめぼしい進展がない。同じ被害を起こさないための方策につなげたい」と話した。

 大会は3月20日にあり、100人余りが参加。被害救済に向けた施策の早期実施や宅地を供給する体制の抜本的な見直しを求めるアピールを採択した。

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