仙台との往来避けられず、警戒と困惑の隣県 コロナ感染拡大

通勤や通学で仙台行きの高速バスに乗り込む人々=8日午前8時20分すぎ、山形市の山交ビルバスターミナル

 新型コロナウイルスの感染急拡大で、大阪府や兵庫県と共にまん延防止等重点措置が初適用された宮城県との往来に、隣県が神経をとがらせている。重点措置の対象地域が仕事や学業、買い物などで人を吸い寄せる大都市・仙台であることも悩みの種だ。不安や戸惑いを抱えつつ、人々はきょうも県境を越える。

■山形

 宮城教育大(仙台市青葉区)に今春入学した山形市の佐藤飛花里(ひかり)さん(18)は、仙台行きの高速バスで通学する。「感染拡大地域を避ける目的もあって今の大学を選んだ。仙台がこんな状況になるなんて…」と表情を曇らせる。

 仙山間の高速バスを共同運行する山交バス(山形市)はコロナ禍で利用客減が続く。「減便すれば車内が『密』になる」として、座席ごとに間仕切りを設けるなどの対策を講じながら平日は現在の運行本数を維持する。

 山形県は重点措置期限の5月5日まで宮城県との往来自粛を県民に呼び掛けている。吉村美栄子知事は7日の記者会見で「(不要不急の)往来はまだある。会議や商談はオンラインを活用してほしい」と訴えた。

■福島

 仙台市の会社に新幹線通勤する福島市の男性会社員(49)は「会社は在宅勤務を推奨するが、印鑑処理などのため出社しなければいけない」と渋い顔。「福島県内の田舎に住む高齢の両親からは『来ないで』と言われた」とこぼす。

 福島県はクラスター(感染者集団)の発生防止が最大の課題。内堀雅雄知事は5日の記者会見で感染拡大地域として宮城、山形両県などを名指しし、県民に慎重な行動を求めた。

■岩手

 岩手県一関市のカフェ経営浅利千尋さん(43)は、プロサッカー選手を目指す9歳と8歳の息子2人がサッカーJ1仙台のジュニアチームに所属。仙台市泉区の練習場に週4回送迎している。

 「コロナは怖いが、2人の夢が懸かっている。通わない選択肢はない」と浅利さん。往復の道中は寄り道厳禁で直行直帰を徹底している。息子らには乗車時に消毒させ、車内で手作り弁当を食べてもらっている。

 達増拓也知事は3月22日、独自の緊急事態宣言を出した宮城県から岩手県への来訪者に不要不急の外出や歓送迎会の2週間自粛を要請。5日の庁内会議でも宮城など重点措置適用地域との往来自粛を呼び掛けた。

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