変異ウイルスに危機感あらわ クラスター相次ぎ「様相異なる」

山形市が各戸に配布した変異株への警戒などを呼び掛けたチラシ

 山形市を中心に、ワクチン効果を弱める可能性が指摘される新型コロナウイルスの「E484K」変異株の感染が広がっている。山形県は13日、3月に陽性が分かった検体のうち、判定不能のものを除いた村山地方などの91検体が、全てE484Kだったと発表。県と市は「従来のウイルスより感染力が強い」とみており、急激な感染拡大に「以前と明らかに様相が異なる」と危機感をあらわにする。

 県内では14日まで28日連続で2桁の感染が確認され、多くを同市と近隣自治体が占める。県の担当者は「宮城や東京で流行している変異株と同様の型が、山形市と近隣自治体で主流となっている」と分析する。

 変異株の出現は、県内での感染急拡大と時期が重なる。3月17日までの感染者は計565人だったが、同18日に11人の新規感染者が確認されて約2カ月ぶりに2桁となり、同25日には1日最多の49人を記録した。以後20~30人台が続き、今月14日現在で計1258人と、1カ月近くで2倍以上に増えた。

 このうち山形市が528人と約4割を占め、3月22日には県が独自の緊急事態宣言を発表した。近隣でも寒河江市88人、天童市86人、上山市72人と感染が急激に広がっている。

 E484Kについて、医療関係者の間では「感染力が強いかどうかは不明な部分が多い」との見方があるが、県と山形市は「従来より感染力が強い」とみる。

 市保健所の加藤丈夫所長は「2月まで5カ所だったクラスターが、3月以降では7カ所も発生し、多くが変異株に代わった」と推測する。市が13日にクラスターと公表した事業所では、社員が対面で座らず業務に当たるなど感染対策を取っていても防げなかったという。

 加藤所長は「濃厚接触とは判断できない接触者や家族全員に感染が広がるなど、以前と様相が大きく異なっている」と危惧。東京で増加し、宮城県でも確認された感染力が強いとされる変異株「N501Y」にも警戒し「県内に入ってくる時期を遅らせ、その間にワクチン接種を完了させるのが最良の方策」と語る。

 市は14日、変異株への警戒を呼び掛けるチラシ約8万2000部を作成し、新聞折り込みなどで各戸に配布した。

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