阿武急の「きせき」紙芝居に 台風被災から全線再開まで描く

続編の紙芝居を手にする(右から)玉手さん、工美可さん、可名美さん、黒須市長

 宮城、福島両県を結ぶ第三セクター阿武隈急行(伊達市)が題材の紙芝居「はしれ!あぶきゅう」を制作した角田市文化協会会長の玉手富士夫さん(78)ら3人が、続編「あぶきゅうのきせき」を完成させた。開業した1988年からの歩みを紹介。2019年10月の台風19号による被災を乗り越え、全線での運行が復活するまでをつづった。

 紙芝居は9枚でできている。台風被害からの復旧途上で新型コロナウイルスの感染が拡大。乗客が減少しながらも20年10月末に全線再開し、沿線住民が喜びに沸く模様を描いた。東日本大震災や18年の開業30周年、翌年に始まった新型車両の運行も伝える。

 玉手さんが原作を担当。県境の区間で運休が続いていた昨年7月ごろ、復旧と利用者の増加を願い、続編の制作を始めた。初編と同じく、ともに角田市の自営業大沼可名美さん(39)、団体職員工美可さん(37)姉妹が絵を手掛けた。10部を作成。市図書館と阿武急本社に寄贈する。

 3人は2日に市役所を訪ね、黒須貫市長に作品を渡した。玉手さんは「困難の壁を突き破って運行しているのは奇跡。一人でも多く阿武急を利用するよう活用してもらいたい」と語った。

 可名美さんは「全線再開を待ち望んでいた沿線住民の気持ちを絵に込めた」と説明。工美可さんは「これからも阿武急に地域で活躍してほしいと願った」と話した。

 初編は開業30周年に合わせ、18年に完成させた。阿武急の前身となる旧国鉄丸森線が開通するまでの経緯や廃止の危機、三セクによる存続までを描いた。

 市職員だった玉手さんは、市丸森線特別対策室で鉄路の維持に向けた業務を担った。こうした経験を基に、沿線地域に路線への親しみを深めてもらおうと初編を制作した。阿武急本社は寄贈を受け、イベントなどで披露している。

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