「復興が水の泡になる事態避けて」 福島知事、処理水巡り国に要望

梶山経産相との会談後、報道陣の取材に応じる内堀知事

 東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出する政府の方針決定を受け、福島県の内堀雅雄知事は15日、経済産業省を訪れ、風評対策や事業者支援などの要望をまとめた申し入れ書を梶山弘志経産相に提出した。政府は16日に関係閣僚会議を開き、風評対策や地元支援策の具体的な検討を進める。

 梶山経産相との会談で内堀知事は「福島には新たな風評への強い懸念と一日も早い復興を成し遂げたいというジレンマがある」と訴えた。処理水の問題は日本全体の問題として捉えて進めるべきだと意見し、「福島の復興の努力や成果が水の泡と化す事態は絶対に避けなければならない」と述べた。

 風評被害が起きた際の東電による補償や賠償についても言及し、「被害がある限り最後まで確実な賠償を行うよう東電に指導するなど、国が責任を持って対応するべきだ」と語った。

 梶山経産相は「丁寧な情報発信を尽くし、できる支援は何でもやる覚悟だ」と応じた。特に水産業への風評被害については、実害が生じた場合に迅速で適切な賠償が受けられるように支援する特別チームの設置を省内に指示したと明らかにし、「東電に対しての指導も徹底していく」と述べた。

 申し入れ書は(1)関係者に対する丁寧な説明(2)汚染水発生量の抑制と浄化処理の確実な実施(3)正確な情報発信(4)万全な風評対策と事業者支援(5)放射性物質トリチウムの除去技術に関する継続的な検討-を求めた。廃炉や汚染水対策は長期にわたる取り組みが必要であるとし、不祥事が相次ぐ東電への強い指導と監督も要請した。

 13日に決定した処理水の処分に関する政府の基本方針は、2年後をめどに処理水の海洋放出を始めるとした。東電は原発敷地内の保管タンクが満杯になる時期を「2022年秋ごろ」としている。

河北新報のメルマガ登録はこちら
原発事故・放射線」

復興再興

あの日から

復興の歩み


企画特集

先頭に戻る