河北抄(4/16):派手な演出も、湧き起こる歓声もなかったが…

 派手な演出も、湧き起こる歓声もなかったが、試合前のセレモニーは忘れ難いものになった。3月26日金曜、晴れ。プロ野球東北楽天の2021年開幕戦。仙台市宮城野区のホーム球場にいた。

 昨春の新型コロナ感染第1波の頃、確か欧州から広がった医療・介護従事者らに感謝を伝える拍手。今シーズンをまずこれから始めようという場内アナウンス。いきなりのナイスプレーだった。

 感染終息の見通しは依然立たない。そんな中にあっても、巡り来た春に野球を楽しむことができる。スタンドもフィールドも思いは一緒だ。一拍、一拍に感謝を込めて手をたたき続けた。

 30秒間、球場を包み込んだ温かな響きが、空に吸い込まれていった。この場所でいくつもの名シーンに居合わせてきた。きょうのこともその一つとして、懐かしむ日が早く来るようにと願った。

 試合は快勝だった。プレーボールからゲームセットまで拍手、拍手、また拍手。プレーをたたえて手をたたいていると、自分の気持ちも上がってくる。拍手にはとても良い効能があるようだ。

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