河北抄(4/20):官庁街のど真ん中にヘリコプターが着陸した…

 官庁街のど真ん中にヘリコプターが着陸した。さっそうと降り立ったのは、三つぞろいのストライプスーツに身を包んだ石原裕次郎さん。背景の赤れんが建築がスターの引き立て役になった。1986年まであった旧宮城県庁である。

 83年夏、仙台市でドラマ『西部警察』のロケがあった。渡哲也さん率いる大門軍団の捜査に、小暮課長役の裕次郎さんが駆け付ける展開。県庁前駐車場にヘリが飛来するシーンは迫力があった。

 旧宮城県庁は31年完成の4階建て。その姿が仙台市の出版社「風の時編集部」による写真集『仙台クロニクル』に載っている。昭和初期の洋風建築らしいどっしりとした存在感。78年の宮城県沖地震の被害に老朽化が重なり、建て替えられた。89年に18階の現庁舎が完成した。

 当時の故山本壮一郎知事は前年の定礎式で、「清政和人」と書いた色紙を納めたと回想録に記す。信頼される県政を行い、新しいふるさとをつくってほしいと願いを込めて引退した。新県庁がゼネコン汚職の激震に見舞われるのはこの5年後。忘れてならないクロニクルである。

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