<NPOの杜>仲間と共に養蜂に挑戦 自然と地域つなぐまちづくり

富谷市役所屋上でミツバチを育てるS CRのメンバーら=2020年5月
カフェ「いい茶や」とスタッフ=16日

 地域をより良くするため、住む人たち自らが考え行動する「まちづくり」が各地で広がっています。富谷市で活動するNPO法人SCRもそんな団体の一つ。スローガンは「Smile(笑顔)」「Challenge(挑戦)」「Relation(つながり)」。2012年5月、20~50代と幅広い年代の女性15人が集まって設立しました。

 「地域のために何かしたいとの思いはありましたが、何から手をつけていいか分からず試行錯誤でした」と理事長の村上幸枝さん。「まずはやってみっぺし!」を合言葉に、まず地域を知ろうと富谷町誌を見ながら探索したり、自然を学ぼうと森林組合を訪ねたりすることから始めました。

 森林組合では「山に入ってみないか」と誘われ、間伐を体験。チェーンソーで大木を切り出す達成感とすがすがしさに魅了され、自然環境への意識が高まるきっかけとなりました。

 これ以降、市内の大亀山森林公園での間伐や下草刈り、清掃などを精力的に続けています。体験を子どもたちに伝えたいと、間伐材を活用する木工教室、森を整備し自然と触れ合う体験活動も開催しています。

 SCRを語る上で欠かせない活動が養蜂です。始まりは5年前、民家に巣を作ったミツバチの保護や、木工経験を見込まれてのハチの巣箱作り依頼が重なったことでした。その後、自然再生活動の一環として、ニホンミツバチを育て始めました。

 飼育を始めたのは(1)ミツバチは農薬に弱く、巣の2・5キロ四方に蜜源植物といわれる花がなければ生きていけない(2)ハチがいるからこそ花粉を媒介し果実が実る(3)ミツバチが生息する場所は人間にとっても安心な環境である-と知ったからです。ただ養蜂に詳しいメンバーはおらず、養蜂家に指導を仰ぎ専門書で猛勉強と、手探りの活動でした。

 同じ時期「スイーツのまち」に力を入れていた市から、セイヨウミツバチを役所屋上で飼育する際の助力を求められました。ニホンミツバチとは飼育方法が異なるものの、これも「まずはやってみっぺし!」の精神でチャレンジしました。

 蜜源植物を増やす環境再生の努力も実りハチの数は年々増え、蜂蜜の収穫量も着実に伸びています。「市役所産蜂蜜」は評判を呼び、市内のスイーツ店で使われ注目を集めています。村上さんは「ただ蜂蜜を売るのではなく、ミツバチが元気に生息できる環境をつくること、蜂蜜ができる過程の大切さを伝えることに力を入れたい」と話します。

 それをかなえるのが、5月にオープン予定の古民家カフェ「いい茶や」です。「富谷宿観光交流ステーション」(とみやど)に店を構え、蜂蜜と富谷の食材を使った料理や甘味を提供。お茶を飲みながら富谷を語り、交流する場をつくる挑戦も始まりました。

 村上さんは「助けられ、応援してもらいながら続けてきた活動の一つ一つが、持続可能なまちづくりに結び付いている」と振り返ります。自然と地域をつなぐまちづくりをさらに広めようと、仲間と共に奮闘しています。(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 堀川晴代)

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
志民の輪

私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。


企画特集

先頭に戻る