いやすこ初! ちょっと大げさだが、今回は、前回の「山菜・料理編」の続編ということで、秋保の里山の空気をまといつつ、画伯のアトリエで山菜の調理に挑むことに。題して「山菜・調理編」。仙台の西多賀に住んでいる時は野菜が嫌いだったが、秋保に移ってから里山・野菜LOVEが止まらない「農家のレストラン」の佐藤秀子さん(68)に、バッケの調理方法を教えていただいたので、実際に作ってみることにしたのだ。
山菜にもいろいろあるが、このバッケ、とっても魅力的なのだ。なんと昨年秋にはもう土の中で生まれていて、雪解けを今か今かと待っていたというのだから、いとおしい。
まずは「バッケみそ」である。(1)バッケをたっぷりの湯でゆでる(2)ザルにあげ、きっちり絞って細かく刻む(3)それにみそと砂糖を入れ、弱火でコトコト煮て出来上がりだ。
「いつもは油でバッケを炒めてみそを入れてたけど」と、従来通りにも作って、食べ比べる。「う~ん」「佐藤さんの方がバッケの風味がしっかりして、しかも優しい~」。シンプル・イズ・ベストである。でもこれを基本に、好みで唐辛子を入れるのもいいよと佐藤さんが教えてくれた。いやすこはというと、クルミ入りにも挑戦。厨房(ちゅうぼう)というよりは理科の実験室的様相を見せてきた台所で、次は「きゃらぶき」を作ることに。
佐藤さんは、バッケが伸びて30センチほどになった茎の部分だけを使って作ると話していた。それだとまだ軟らかいので皮をむく必要もない。市販のフキでももちろんいいが、その場合は皮むきが必要になる。ちょうど家の近くに生えていたぴったりサイズに伸びたバッケを朝採りしてきたので、それを使うことに。
さて「きゃらぶき」だが、(1)フキを水に1~2時間さらす(2)ザルに上げたらたっぷりの湯で10分ゆでる(3)調味料を用意する(4)2をザルにあげ、フキがかぶるぐらいの水に入れて、調味料の3分の1を加えあくをすくいながら30分煮る。さらに3分の1の調味料と種を除いた唐辛子を入れ中火で30分煮る。
煮ている途中も、いいにおいだね~なんてコーヒーを飲んでいたら、ちょっとにおいが濃くなる。のぞくと、焦げる手前でギリギリセーフ。調理の時はそばにいなくっちゃと反省。それでもそこはいやすこ、「ちょっと香ばしくなったかもね」と、おおらかというか適当というか…。
ここまでで今日はおしまい。というのも、きゃらぶき作りは2日がかり。翌日も煮汁に残りの調味料と水を足して煮詰める。きゃらぶきとは、伽羅(きゃら)という香木のように黒いところからついた名であり、ひたすら真っ黒になるまで煮上げるのがこつだ。佐藤さんに教えてもらった話と、手元には「ごっつぉうさんII-伝えたい宮城の手づくり加工」を置いてのいやすこ調理タイムは無事?終了。
できたバッケみそときゃらぶきに、白いご飯。自分で作るとなんかいとおしい。昔からこうして春の恵みを余すことなく調理し、楽しみ、保存食としても生かしてきたのだ。
さて、次はフキの葉でつくだ煮作り。春は大忙しだ。
フキは数少ない日本原産の野菜で、全国に自生し、山林原野の湿地などに群生している。一本の地下茎から葉と花が別々に出て伸びる。葉と葉柄(葉と地下茎をつないでいる葉の一部)をフキと言い、花の方はフキノトウ、宮城ではバッケと呼ばれている。
栄養価を比較してみると、バッケの方が体内のナトリウムを排出する働きのあるカリウムが2倍、カルシウムが1・5倍。また、バッケの苦味成分アルカノイドやケンフェロールは発がん性物質を抑制する働きがあり、香り成分フキノリドは胃腸の働きをよくする作用がある。
【本文の料理の材料】
「バッケみそ」
・バッケ 100グラム・みそ 200グラム・砂糖 100グラム
「きゃらぶき」
・フキ 1キロ・唐辛子 2本・水 適量
・調味料(ザラメ 150グラム、しょうゆ 3/4~1カップ、酒 1カップ)
出典資料「ごっつぉうさんII-伝えたい宮城の手づくり加工」(みやぎの食を伝える会編著、河北新報出版センター)
土地には、その土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター(愛称「みい」)とイラストレーター(愛称「画伯」)が、仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。
土地にはその土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター・みうらうみさんとイラストレーター・本郷けい子さんが仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。
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