生理の困り事、我慢せず解消 進化する用品、悩み分かち合い

月経カップのサンプルを手にする増子店長。幅広い世代が関心を寄せるという
底に取り出し用のつまみが付いている。奥は洗浄カップ
GUの「トリプルガードショーツ」。3層構造で水分を吸収する(ジーユー提供)

 多くの女性が長年付き合うのに、我慢するのが当たり前だった生理。今、生理用品が進化し、若い世代が声を上げ、生理の困り事を改善する動きが生まれている。
(生活文化部・片山佐和子)

 オーガニック化粧品などを扱う「コスメキッチン」エスパル仙台店(仙台市青葉区)は、医療用シリコン製の月経カップ「フルムーンガール」(4620円)を2018年夏から販売している。

 高さ30ミリのカップ部分を折り畳み、膣(ちつ)内に入れ経血をためる。容量は10ミリリットルで比較的、量が少ない日向け。最長12時間程度使ったら、取り出して洗い、別売りの洗浄カップ(1320円)で煮沸するなどして清潔に保つ。5~10年は繰り返し使えるという。

 月経カップは1990年代、欧米でナプキンやタンポンに続く第3の生理用品として普及した。蒸れや臭い、経血漏れなどを防ぎ、生理用品の出費やごみの量を抑える効果もある。

 同店の購入層は若い世代から更年期に悩む世代まで幅広い。最近はインターネットで知り、「実物が見たい」と来店する人が増えている。増子沙織店長(34)は「初めてで漏れるのが心配な人でも、自宅でなら試しやすい。新型コロナウイルス下で巣ごもり生活が長くなった影響かもしれません」と話す。

 「生理のストレスが減り、快適です」。多賀城市のイラストレーターで防災士のアベナオミさん(36)は、第3子を出産後の19年に月経カップを使い始めた。子どもを世話しながら外出先のトイレでナプキン交換をしたり、入浴したりする煩わしさが省けたという。量が多い日はナプキンを併用することもある。

 アベさんは「抵抗感がある人もいると思う」とした上で、災害時の利点も挙げる。「水が少ししかなくても、消毒綿や消毒薬があれば使える。生理用品の買い置きや仮設トイレでのナプキン交換の心配を減らせます」

 生理中にナプキンなしで過ごせる吸水型ショーツも人気だ。衣料ブランドGUが3月に発売した「トリプルガードショーツ」(1490円)は、約15~20ミリリットルの水分を吸収する。数千円台の他社製品が多い中、手頃感から品薄状態が続く。

 運営するジーユー(東京)は、女性の健康や体調をサポートする「フェムケア」関連市場に着目。健康機器大手のオムロンヘルスケア(京都府向日市)などとの共同プロジェクトで商品開発を手掛けたという。

 フェミニズムの視点で生理を考察する動きもある。せんだい男女共同参画財団(仙台市青葉区)は来年3月、設立20周年記念イベント「世界は私たちが変えられる展」で取り上げる。一人一人の悩みを互いに共有して改善する活動を、誰もが生きやすい社会をつくるための思想と重ね合わせた。

 財団職員の佐藤莉乃さん(30)と中林加南子さん(38)は「生理を巡る新しい話題や問題を発信し、ポジティブに語り合いたい」と意気込む。

「生理の貧困」支援広がる

 新型コロナウイルス禍の中、経済的な理由で生理用品の買い控えなどをする「生理の貧困」に注目が集まり、支援の動きが出ている。

 きっかけは、20代の4人でつくる任意団体「#みんなの生理」が国内の大学生や高校生らに実施したアンケート。3月2日までに回答した671人のうち、過去1年間に金銭的な理由で生理用品の購入に苦労した人は20%、生理用品の交換頻度を減らした人は37%に上った。

 同団体はサイト「チェンジ・ドット・オーグ」で、政府に対策を求める二つの署名を募集。これまでに、生理用品の軽減税率適用を求める署名は約6万7000人、学校トイレへの無償の生理用品設置を求める署名は約2万4000人がそれぞれ賛同した。

 共同代表の谷口歩実さん(23)は「社会の関心が一気に高まり、話題にしづらかった生理の悩みや疑問が可視化されてきた。取り組みを一過性にせず続けていきたい」と言う。

 布ナプキンのインターネットショップ「ジュランジェ本店」(仙台市青葉区)は経済的な事情を抱える人向けに「生理応援プロジェクト」を実施。販売品の布ナプキンの型紙をサイトで公開し、製品100セットも無償配布している。運営する匠ソリューションズの担当者は「布ナプキンは経済的で肌にも優しい。生理中に困らないためのアイデアを届けたい」と話す。

 行政も取り組みを始めた。東京都豊島区など一部の自治体は防災備蓄のナプキンを無償配布。政府も3月、コロナ禍で生活困窮する女性支援の交付金を生理用品提供にも使えるようにした。仙台市も配布を検討中だ。

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