一力遼の一碁一会 「女性の活躍」 実力ある若手、次々台頭

一力遼の一碁一会

 近年、女性の社会的地位についての関心が高まっています。今回は、囲碁界における女性の活躍を紹介します。

 国内に囲碁棋士は500人近くいます。そのうちの約100人、全体の2割が女性です。ここ数年は女性の棋士が数多く誕生し、徐々に割合は高まっています。

 棋士になるには採用試験を通過する必要があります。女性のみでリーグ戦を行う採用枠があり、そこで1位となってプロ入りする人が多いです。しかし、中には謝依旻(しぇいいみん)六段(31)のように、男性に交じって一般枠で入段を決めた棋士もいます。

 勝負の世界では、男女で種目が分かれていることがほとんどです。サッカーや水泳などのスポーツをはじめ、将棋も「棋士」と「女流棋士」は別の扱いとなっており、女性の「棋士」はまだ誕生していません。

 一方、囲碁は、男性が参加する棋戦に女性も出ることができます。これが他の競技と一線を画す点と言えるでしょう。

 加えて、女性のみで行われる「女流棋戦」もあります。現在は、五つのタイトルのうち、藤沢里菜五段(22)が三つ、上野愛咲美(あさみ)四段(19)が二つ保持しており、2人で分け合っている状態です。

 両棋士の活躍は女流棋戦にとどまりません。藤沢さんは昨年、若手棋士による大会「若鯉(わかごい)戦」を制し、初めて男女混合の公式戦で優勝しました。

 若鯉戦は15年続いている棋戦で、公式戦扱いではなかった第1回は謝さん(当時三段)が優勝しています。つまり、15年で女性が2回優勝しているのです。

 上野さんはおととし、年齢や性別の制限がない一般棋戦「竜星戦」でトップ棋士を次々と破り、準優勝しました。私は決勝で当たりましたが、負けを覚悟した場面もありました。

 今、注目を集めているのが中学1年の仲邑菫(なかむらすみれ)二段(12)です。2019年のプロ入り後も順調に勝ち星を重ね、小学生で二段昇段を果たしました。先日は10代の女流棋士により行われたトーナメントで優勝し、その実力を証明しました。

 囲碁界では実力のある若い女性が増えています。一般棋戦でも予選を突破して本戦に進むことが多くなっているので、今後の活躍が楽しみです。(囲碁棋士)

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