本町の「珈琲アキバ」、惜しまれ閉店 文化薫る憩いの場

閉店後も訪れる常連客との会話を楽しむ秋場さん(右)
閉店した珈琲アキバ

 仙台市青葉区本町2丁目で55年続いた老舗喫茶店「珈琲(コーヒー)アキバ」が3月末に閉店した。近隣の住民や勤め人が憩いを求めて集まり、大衡村出身の洋画家菅野廉(1889~1988年)も常連の一人だった。片付けの続く店には4月以降も常連が集まり、名残を惜しんでいる。
 「県庁職員やタクシーの運転手、近所の人たちが集まり、お客さんがゼロの日は一日もなかった」
 店を経営していた秋場元子さん(81)が懐かしむ。オープンは1966年。約23平方メートルの店内にカウンター6席、4人掛けのボックス席が二つ。常連客たちは、サイホンで入れたまろやかなブレンドコーヒーを飲みながら、秋場さんとの会話を楽しんだ。
 営業時間は平日午前10時~午後5時だったが、話が盛り上がり、閉店時間を1時間以上過ぎることも。10年、20年と通い続ける常連が多い中、「昭和レトロな感じがする」と訪れる女子大学生もいた。
 「盛り上がっている声は数軒先の外から聞こえてきた。ここに来ると元気がもらえた」と話すのは、近くで設計会社を営む関信男さん(84)。10年来の常連で、一日に何度も店に顔を出すことも珍しくなかった。
 仙台市内で絵画教室を開いていた菅野がよく顔を見せたのは70年代ごろ。赤いベレー帽がトレードマークだった。菅野の寄贈作品は、閉店までずっと店の壁に飾ってあった。
 秋場さんが閉店を決意したのは昨年末。建物の所有者が数年前から取り壊しの意向を示しており、禁煙化の波、新型コロナウイルスの感染拡大などで徐々に客が減っていた。「ここに来てしゃべるから、ストレスがなかったんだけどね」と残念そうに語る。建物は5月にも解体される予定だ。

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