盲導犬ユーザー、コロナ下の外出尻込み 「犬から感染」の誤解も

自宅で録音図書を聴く小宮さんとライラ。「晴れた日に自宅近くを散歩することだけが唯一の気晴らし」という

 新型コロナウイルス禍が長引き、盲導犬と生活する視覚障害者が自宅にこもりがちになっている。「盲導犬から感染する」などの誤解や偏見もあり、さらに外出を敬遠する事態を招いている。
 仙台市青葉区の主婦小宮祐子さん(62)は、ラブラドルレトリバーの盲導犬「ライラ」(雌、9歳)と暮らす。目の難病が原因で25年ほど前から徐々に視力が落ち、最近はほとんど見えなくなった。
 コロナ禍で生活は一変した。飲食店などに置かれた消毒液は場所が分からず、スーパーでは商品を顔に近づけて確認することもはばかられる。特に市へのまん延防止等重点措置の適用(4月5日)後は、病院と美容院に行く以外は外出を自粛している。

 市内で感染が拡大した昨年12月、通院でバスに乗車した。普段なら混雑時でも席に誘導してくれる乗客がいるが、声を掛けられることすらなかった。
 「知人から『犬も感染するんでしょ』と言われたことがある。(バスでの体験は)盲導犬がいたからではないと思いたいが…」。以後、小宮さんはタクシーで通院している。
 日本盲導犬協会は1~2月、盲導犬ユーザー約230人を対象に「コロナ禍での外出時の不安、困りごと」を複数回答で尋ねた。「『社会的距離』が分かりにくい」が41%で最も多く、「周囲にサポートを頼みづらい」(22%)「商品などを触るため周囲の目が気になる」(21%)が続いた。
 「犬の感染を理由に拒否に遭う不安」も12%に上った。実際に施設などで「犬から人間にうつる」「こんなご時世なので」などと入場を断られたユーザーが複数いたという。

 協会仙台訓練センター(仙台市青葉区)の奥沢優花さん(32)は「犬から人への感染事例は、これまで報告されていない。自由に行動できるはずの盲導犬との暮らしが、逆に生活の幅を狭めることがあってはならない。ユーザーに対する声掛けを普段以上にお願いしたい」と訴える。

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