感染拡大1年、 仙台の小中学校苦慮 読書はパーティションで仕切って

手作りのパーティションがある図書室で黙って読書する児童=仙台市青葉区の台原小

 仙台市内に新型コロナウイルス感染が広がり、1年余りが過ぎた。昨年は長期の臨時休校を余儀なくされた市立小中学校は、さまざまな感染対策を積み重ね、ほぼ例年通りに新学期をスタートさせた。未知のウイルスへの対応に苦慮した1年を経て、学校はどう変わったのか。現場を取材した。

継続へ工夫続ける

 青葉区の台原小。広々とした図書室で4月22日、2年3組の児童30人が、国語の授業を受けていた。
 マスク着用で1メートルほど間隔を空けて座り、黙って読書する子どもたち。前方には透明プラスチック板と本立てによる仕切りがあり、感染対策が取られている。
 パーティションは教職員の手作り。昨夏、図書室に登場したという。小島拓也教頭は「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)も自然と身に付けられる」と相乗効果を口にする。
 昨年は3~5月の3カ月に及ぶ臨時休校などの影響で、学校現場にさまざまなひずみが生じた。今年はまん延防止等重点措置が適用される状況下でも、各校が試行錯誤しながら児童生徒の学習機会を確保する。
 太白区の中学校は体育で柔道を教える際、接触を避けるため受け身を中心に指導する。泉区の小学校は音楽で児童に縦笛を吹かせず、穴を押さえる指の動きだけを学ばせている。英語の授業では発音の仕方を教える時だけ、マスクをマウスシールドに替え、口元を見せている学校もある。
 児童生徒が意見を出し合い、考えをまとめるグループ学習は各校とも頭を悩ませる。対面による話し合いが感染リスクにつながる。
 泉区の向陽台中は生徒が斜め45度に体を傾け、向かい合わないよう工夫する。福田元明(はるあき)校長は「多様な意見を出し合い、議論を深める学習は生徒の成長に欠かせない」と必要性を説く。

行事の実施 手探りで

 昨年度は学校行事の中止が相次いだが、本年度は感染状況を踏まえながら実施の可能性を探っている。
 太白区の小学校は福島県会津地方への修学旅行を6月から10月にずらした。校長は「今後の状況次第で再検討は必要だが、楽しみにしている児童を思うと何とか行かせたい」と話す。
 青葉区の小学校は昨年度、中止した運動会の代わりに体育の授業を学年別に公開した。「子どもの出番がすぐ回ってくる」と保護者に好評だったため、本年度も同様の形で実施する。
 ただ、思わぬ壁に直面した学校もある。宮城野区の中学校は合唱コンクールを学年別に開く計画だが、会場がワクチンの集団接種場所となり、急きょ学校の体育館に変更を迫られた。会場が狭くなり、保護者の見学が難しくなったという。

給食は「黙食」定着

 学校生活で光景が一変したのが給食。短時間でもマスクを外すため、感染対策を最優先する。
 全員が黒板を向いて食べる「黙食」が定着。密集しないよう廊下で配膳する学校も多い。校内放送で昔話や音楽を流すケースもあるが、総じて静かになった。
 青葉区の五橋中の大内聡教頭は「給食中は生徒同士がコミュニケーションを取る時間でもあった。大事な機会が失われてしまっている」と影響を心配する。

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