太陽光・風力比率、過去最高87% 大型連休中の出力制御は回避

ゴルフ場跡地に建設された大規模太陽光発電所。東日本大震災以降、再生可能エネルギーは急速に拡大した=宮城県丸森町

 東北6県と新潟県の電力需要に占める太陽光・風力発電比率(速報値)が、大型連休中に過去最高の87・7%に達したことが分かった。東日本大震災後の7県の再生可能エネルギー導入拡大が背景にある。一方、今年の連休は曇りが多く太陽光の出力が低めで推移し、再生エネ事業者に発電を一時停止させる「出力制御」は回避した。

 東北電力ネットワーク(仙台市)によると、4日の午前11時台に、エリア内の需要724万キロワットに対し、太陽光と風力の発電量は計635万キロワット(太陽光552万キロワット、風力83万キロワット)と9割弱を占めた。これまでは2020年5月5日の78・3%(確報値)が最高だった。

 春は空調が使われないなど一年の中でも電力需要が少なく、特に連休中はその傾向が強まる。20年は新型コロナウイルスによる商業施設の休業、工場の操業停止などで例年以上に需要が抑えられたが、今年は感染拡大前と同水準だった。

 電力は発電量と消費量を釣り合わせないと発電機が正常に動かず、最悪の場合は大規模停電になる。電力が多過ぎる場合、火力発電の抑制で発電量を減らしたりエリア外への送電で消費量を増やしたりして、なお需給調整が必要なら再生エネの出力制御に踏み切る。

 東北電ネットは今年の大型連休中にも初の出力制御を行うと予告していた。担当者は「天気が良くなかったことで何とか乗り切れたが、再生エネは今後も増えるので出力制御はいずれ必要になる」と話す。

 同社管内では昨年12月時点で太陽光644万キロワット、風力160万キロワットが送電網に連系済みで、再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)が始まった12年度から太陽光は約17倍、風力は約3倍に増えた。連系待ちも計1000万キロワットを超える。

 東北電は各地の洋上風力事業に参画するなど200万キロワットの新規開発を掲げており、近い将来、再生エネだけでエリア需要を上回る可能性がある。その際の「再生エネ余り」を減らす方策の一つに、大消費地・首都圏向けの送電能力の増強がある。

 東北電ネットは電力広域的運営推進機関(東京)の計画に基づき、東北と首都圏を結ぶ送電線「東北東京間連系線」の増強工事を進める。送電できる容量は21年度の605万キロワットから、27年11月に1028万キロワットに拡大。昨冬のような電力需給の逼迫(ひっぱく)や大規模停電時、エリアを超えてより効果的な電力融通が期待できる。

 ただ、余剰電力も需要がなければ送れない上、首都圏に送りたいのは他の電力会社も同じ。担当者は「連系線の増強で出力制御をどれほど減らせるのか、はっきりとは言えない」と語る。

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