処理水タンクの2割「低濃度」 東電、優先して放出へ

 東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を保管するタンクのうち、約2割のトリチウム濃度が、現在保管中の全体平均濃度の半分以下になっていることが東電への取材で分かった。処理水を海洋放出する政府の方針決定から13日で1カ月。2年後をめどとする放出開始に向け、東電は比較的低濃度のタンクから処分の準備を進める。

 4月1日時点の処理水全体の平均トリチウム濃度は、国の放出基準値の10倍以上の1リットル当たり約62万ベクレル。タンクは現在計1047個(約137万トン分)あり、既に9割が埋まっている。

 タンクごとに見た濃度の内訳はグラフの通り。30万ベクレル未満は21%で、100万ベクレル超は22%となっている。タンクごとに濃度のばらつきは大きいが、原発敷地内にある36保管区域のうち、3区域の全68個(約7万トン分)は全て30万ベクレル未満だった。

 直近半年間に発生した汚染水のトリチウム濃度は26万~45万ベクレルで推移している。東電はトリチウムの年間放出量について、事故前の第1原発の管理値の22兆ベクレルを下回る水準を当面維持する方針だが、低濃度のタンクから先に放出すれば処理水の発生量を処分量が上回り、保管総量は減少する。

 高濃度のトリチウムを含むタンクの処理は予想される風評被害も考慮し、放出が後回しとなる見通し。

 2020年度の汚染水の発生量は1日平均140トン。事故の影響で原子炉建屋内に流れ込むようになった雨水や地下水が主で、外部からの流入を全て遮るか溶け落ちた核燃料(デブリ)を回収しない限り発生し続ける。

 タンクの満杯時期は22年秋ごろとされるが、汚染水の量は降雨に左右される。発生量が20年度並みで推移すれば、満杯時期は2年後の23年春ごろまで延びる可能性もある。

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