福島特産モモに凍霜害拡大 被害額過去2番目の10億円

凍霜害を受けた実を選別する石幡さん

 福島県内でモモなどの果樹を中心に凍霜害(とうそうがい)の被害が広がっている。10日までの県のまとめでは計15市町村の被害額は10億8200万円に上り、1981年の71億5600円に次いで過去2番目に大きい。調査中の自治体もあり被害はさらに拡大する恐れがある。県内の果樹農家からは悲痛な声が上がっている。
 皇室に届ける献上桃の郷(さと)として知られる桑折町伊達崎(だんざき)地区。県主力品種の「あかつき」などを育てる石幡徳幸さん(66)は、受粉がうまくいかず育たなかった実を見分けながら手作業で一つずつ取っていく。「あれもこれも全部駄目。50年近くやってきたが記憶に残る中で一番ひどいかもしれない」と嘆く。
 凍霜害を防ぐ散布剤をまいたが、約120アールの畑のうち約9割の木が被害に遭った。防霜ファンの購入を検討したが、果実や葉が変色するせん孔細菌病の原因となる風を発生させる懸念があったため、設置を見送った。
 2017年は10トン以上が収穫できたが、18年は日照りの影響で実が小ぶりになり、19年からは数十年に一度ともいわれるせん孔細菌病の被害に悩まされた。ここ3年間の収穫量は年6~7トンまで減少している。
 石幡さんは「『よく生き残ってくれたな』と思いを込めながら、被害がなかった実を丁寧に育てていく」と前を向く。
 県農業振興課などによると中通りと会津地方を中心に、県内の主要果樹の栽培面積の1割に当たる約530ヘクタールが被害を受けた。内訳はモモ5億2230万円、ナシ3億7198万円、カキ9339万円など。
 同課の担当者は3月に温暖な気候が続き、平年より約10日早く花が咲いたことや、4月10日から4日間にわたって氷点下まで冷え込んだことなどが要因とみる。「抜本的な対策はなく完全に被害を防ぐことは難しい。早急に全容把握に努めたい」と話す。

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