<アングル宮城>時超えた宝 後世に 多賀城・埋文調査センター

<解く>出土した土器などの破片は水洗いで汚れを落とす。元々の形に復元しようと色や質感、断面を基に、無数の破片の中から合うものを手探りで探す。職員は「難解なジグソーパズルを解いているようだ」と頭を悩ます
<集う>毎年約2万~3万平方メートルの発掘調査を手掛けるが、センターの職員だけでは足りないため、年に約50人の作業員を雇う。参加者たちは「自分が奈良・平安時代の人たちと同じ場所に立っていると実感できるのが醍醐味(だいごみ)の一つ」と力説する
<接ぐ>40個以上の破片を接着剤で組み合わせてやっと完成する古代のつぼ。センターの収蔵庫には埋蔵物が入った縦54センチ、横35センチ、深さ15センチの箱が約1万1000個も保管されている
<測る>掘り終わった後は、遺跡を図面に描く。遺跡の形、土の色や質、埋蔵物が出た深さなどを正確に測る。大半の遺跡は埋め戻すため、写真や図面、報告書にまとめることで後世に遺跡の特徴を残す

 地中で見つかる土器や陶磁器、建物や田畑の跡は昔の人の営み、過去の出来事を現代に伝えてくれる貴重な財産だ。史都として知られる多賀城市の市埋蔵文化財調査センターは日々、発掘調査に励む。

 センターの設置は1987年。現在は非常勤を含め37人の職員が在籍する。年30~50件の発掘調査を実施し、毎年6月ごろに前年度の成果を紹介する展示を行っている。

 市内では国指定特別史跡を含め42カ所の遺跡が確認されており、市域の約3割の面積を占める。職員は「埋蔵文化財は悠久の時を超えた宝であり、われわれが未来に引き継がなければならない」と口をそろえる。(多賀城支局・石川遥一朗)

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