「化石の町」人気集める ウタツギョリュウの発見地<気仙沼・南三陸ウイーク>

 世界最古級の魚竜化石ウタツギョリュウの発見地として知られる宮城県南三陸町が、「化石の町」として人気を集めている。地質学・古生物学の研究対象として世界的にも貴重な地層を有しており、訪れる人々のロマンをかき立てる。

大勢の参加者でにぎわった化石発掘体験イベント=南三陸町歌津

 歌津地区で今月上旬、化石発掘体験イベントがあった。当初2日間の予定だったが、予想以上の申し込みで急きょ5日間に拡大。県内外から親子連れなど計約100人が参加し、約2億5000万年前の地層で化石を探した。アンモナイトなどの化石が見つかるたび、うれしそうに歓声を上げた。

 企画したのは地元の若者でつくる団体「みなみさんりく発掘ミュージアム」。案内役を務めた理事の高橋直哉さん(40)は「日本でここでしか見つかっていない化石も多い。少しでも多くの人にその価値を知ってもらえたら」と話す。

 明治時代、旧歌津村で中生代三畳紀の地層が発見されて注目を集めた。ウタツギョリュウの発見は1970年。その後も一帯で貴重な化石が見つかり、2015年には国内で初めて海洋の節足動物「嚢頭(のうとう)類」の化石発見が発表された。

 東日本大震災の津波で、ウタツギョリュウなどの化石を展示していた町の魚竜館は全壊したが、標本の多くは流失を免れた。町は東北大などの協力で修復し、今年4月に歌津総合支所に展示室を開設した。

 発掘ミュージアムも化石を大事な観光資源と位置付け、積極的に売り込みを図る。2年前からは歌津地区の「南三陸直売所みなさん館」で化石の展示を始めた。高橋さんは「地元の子どもたちには、化石の宝庫である町に誇りを感じてほしい」と願う。

来館者に町内で発掘された化石について説明する高橋さん(右)=南三陸直売所みなさん館

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