「六郷」昔話 あったんだとっしゃ 動画で5話紹介、紙芝居仕立て

六郷昔物語「スサナの森」の動画の一こま

 仙台市若林区の市六郷市民センターが、埋もれていた地元に伝わる昔話5話を紹介する動画「六郷昔物語」を制作した。方言によるナレーションと手書きの挿絵が特長で、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。「地元の魅力に気付かされた」と、若い世代から年配の住民まで評判になっている。
「スサナの森」は森に迷い込んだ小坊主が不思議な体験をした話。「れんと清太郎」は結婚を控えた若い男女の悲劇と愛の物語だ。地元の三本塚の一つの鶴塚の由来を紹介する「赤沼の白蛇」もある。

 挿絵や写真、地図が次々と切り替わる紙芝居仕立て。ナレーションは地元の読み聞かせサークル「まつぼっくり」の女性8人が担当した。「昔、昔、あったんだとっしゃ」などと地元の方言で優しく語りかけている。分かりにくい方言には、標準語の意味を伝える表示も添えた。

 職員の国分美里さん(35)が2020年3月、冊子「六郷昔物語」を偶然見つけたのがきっかけ。冊子は07年、センターの講座の受講生8人が住民から聞き取るなどしてまとめたが、読まれる機会も少なく、事務室の棚に眠ったままになっていた。

 「なじみのある地名にも由来があることを知り、興味深いと思った。埋もれたままにするのはもったいない」と国分さん。コロナ禍で読み聞かせ会の中止が相次ぐ中、ユーチューブを通して自宅でゆっくり見てもらおうと動画制作を企画した。画像は冊子の挿絵を活用。20年9月から半年かけ、動画編集などはほぼ独力で行ったという。

 朗読を担当したまつぼっくり代表の小番(こつがい)有貴子さん(58)は「六郷出身ではないので、どのようなイントネーションで方言を使えばいいのか苦労した。若い人からの反響が大きいのがうれしい」と話した。

 今年3月からユーチューブでの公開に加え、5月に民間団体が開いた会合でも上映した。「六郷に長く住んでいるが、知らない話ばかりで面白かった」といった感想が寄せられている。

 国分さんは「動画を見て六郷の歴史を知れば、地域に愛着も湧いて誇りを持ってもらえるはず。地区外の人にも六郷に興味を持ってもらい、足を運ぶきっかけにしてほしい」と話す。

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