<撮れたて とうほく食紀行>食用のバラ 被災地に彩り/石巻

 バラの花が初夏の陽光を浴びて咲く。せっかく見頃なのに、無情にもはさみでチョキン、チョキン。このバラ、実は食用の花「エディブルフラワー」。出荷に向けて一花、一花、丁寧に収穫している最中だった。

 宮城県石巻市雄勝町の「雄勝ローズファクトリーガーデン」。東日本大震災で母を亡くした徳水利枝さん(59)が、「がれきだらけで色を失った古里に彩りを」と、実家の跡地に花を植えて始まった。小さかった花壇は、全国からの支援もあり、今では広さ約2000平方メートルもの庭園になった。

 豊富なビタミンや食物繊維で注目を集めるエディブルフラワーの栽培は、事業の一環でまだ試行錯誤。バラに限らず、季節の花を市内の菓子店やレストランに届け、ケーキやサラダの飾り付けとして目と舌を楽しませる。徳水さんは「花は人と人をつなげる。無農薬で安全安心な花を作り続けたい」と額の汗を拭った。
(写真映像部・小林一成)

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とうほく食紀行

 自然に恵まれた東北は食の宝庫。歴史に育まれた伝統食や、生産者が情熱を傾ける食材もある。カメラで斬新に切り取り、撮れたてをおいしくお届けする。

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