【動画】冷涼な気候が生む大和のテロワール 宮城のワイナリー探訪(1)

七ツ森を見渡せる丘の上のワイナリー

 新型コロナウイルスの影響で外食を控え、巣ごもり生活が長くなっています。たまには気分を変えて、宮城県のワイナリーで造られたワインの家飲みはいかがでしょう。定番の赤、白、ロゼ、スパークリングや、ブドウだけでなくイチゴを原料にしたものまでラインアップも多彩です。県内のワイナリーを一軒ずつご紹介します。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)

七ツ森を見渡せる山の中腹に立つ了美ヴィンヤード&ワイナリー=2021年5月11日、宮城県大和町

 よく晴れた日に伺ったのは、宮城県大和町のワイン醸造所「了美(りょうみ)ヴィンヤード&ワイナリー」。町西部の山腹にあり、北に七ツ森、南と西にブドウ畑3・3ヘクタールが見渡せる抜群の立地です。早坂美代子社長は「天気のいい日は最高。ぜひ遊びに来て」と笑います。

 醸造責任者の樫原信元さん(51)を中心に仕込んだ赤、白、ロゼとスパークリングが販売されています。目標はすいすいと飲み進められるワイン。樫原さんは「飲んで楽しく、気付けばグラスが空いているワインが理想」と言います。

 ワイナリーに併設のショップや仙台市内の酒販店、オンラインストアで購入できます。「1本買うならお勧めは?」の質問に、樫原さんは赤は「ルージュ・スタンダール」、白は「甲州シュールリー」(共に2200円)を挙げました。

ワイナリーおすすめのワイン。左からルージュ・スタンダール2019と甲州シュール・リー2019=2021年5月11日、宮城県大和町の了美ヴィンヤード&ワイナリー

 ルージュ・スタンダールは、了美ワイナリーの赤ワインの基本となるワイン。山形県と山梨県から仕入れた日本の固有品種「マスカット・ベリーA」で仕込まれ、イチゴなどベリーの香りとスパイスの風味が特徴です。ワインの銘酒「シャトー・マルゴー」が有名な仏ボルドーで醸造を学んだ樫原さんらしく、軽快な飲み口ながら薄さを感じさせないバランスの取れた味わいが自慢です。

 甲州シュールリーは山梨県産の日本を代表する品種「甲州」を使用。グレープフルーツのようなかんきつ系の味わいと香りが楽しめます。シュールリー(シュール・リー)とは発酵中に生じた澱(おり)を除かず底に沈めたままワインを熟成させる製法。アミノ酸などのうま味成分がワインに残り、味の厚みが増すそうです。

 どちらも食事に合わせて楽しんでほしいと早坂社長は言います。「ルージュ・スタンダールはハンバーグなど肉料理全般。ギョーザでもいいですね。甲州シュールリーはうま味成分の強い食品と好相性。豚肉のみそ漬けや、魚のかす漬けなんかも合うと思います」と教えてくれました。

きれいに手入れされたブドウの木。日当たりの良い斜面に約1万本が植えられている=2021年5月12日正午ごろ、宮城県大和町の了美ヴィンヤード&ワイナリー

 2021年4月にはパリのコンクールで赤と白の3銘柄が金賞を受賞し、醸造も販売も勢いに乗っています。昨年は自社の畑で採れたマスカット・べリーAを使った赤ワインを初めて醸造しました。

 生産量が少なく、気軽に買えるようになるまでは少し時間がかかりそうですが、樫原さんは「冷涼な気候が生む酸味を感じる大和のテロワール(フランス語で『風土』)を感じられるワインになる」と話します。

 ワイナリーは、宮城の食材をふんだんに使ったレストランや宿泊施設も併設しています。広大な景色と、大和の風土を感じられるワインに酔いしれるのもすてきですね。

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