民意に対する自民党の感度の鈍さに疑問を抱かざるを得ない。公選法違反の罪で有罪判決が確定し、当選無効となった国会議員の歳費の取り扱いに関してである。
2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、有罪となった河井案里元参院議員には、2月に議員辞職するまでの歳費など4900万円余が支払われた。
広島県の市民団体が4月、不当利得に当たるとして、案里氏に歳費を返還させるよう国に求める訴えを東京地裁に起こしている。この動きに敏感に反応したのが自民と連立を組む公明党だ。
国会議員歳費・旅費・手当法によると、議員には月129万4000円(20年5月より記載額の2割減額)の歳費のほか、6、12月に各300万円余の期末手当、月100万円の文書通信交通滞在費(文通費)などが支給される。
公明は5月下旬、自民に法改正案の骨子を示した。当選無効となった議員は、歳費と文通費の4割、期末手当の全額を返納する。何らかの罪で起訴された場合、勾留期間中の歳費の一部を支給停止にするといった案も盛り込んだ。
国民には分かりやすい提案ながら、自民のプロジェクトチーム初会合では4割の妥当性や憲法との兼ね合いなどから賛同する意見は出なかったという。返納は公選法が禁じる議員の寄付行為に該当するとの声もあり、議論はスムーズに進みそうもない。
改めて問題を整理したい。憲法49条は「両議院の議員は法律により、国庫から相当額の歳費を受ける」としか定めていない。公選法によると、連座による当選無効の効果は連座訴訟の判決が確定したときに生じる。それまでは議員の地位を有し、活動しているからにほかならない。
議員本人が重大な選挙違反を犯して失職した場合、当選無効の効力がいつからかを定めた条項はない。活動実績がないのに議員の地位にしがみついて歳費を得るのは、職責を果たしてほしいと願う国民への背信行為と言え、許されないだろう。
法改正を議論することに至った原因は自民にある。襟を正し、より真摯(しんし)に課題に向き合うべきではないか。
公明が提案した骨子後段の「何らかの罪で起訴された議員」の表記を見て、ある記憶がよみがえった。詐欺容疑で1997年に逮捕された現職の参院議員に、4年を越える勾留中も歳費など総額1億5000万円以上が支払われたオレンジ共済組合事件だ。
歳費の一部は仙台弁護団の功績で差し押さえられ、被害弁償に回った。弁護活動の称賛の陰で、当時も歳費の給付継続に厳しい批判があったことは言うまでもない。
議員歳費が内包する課題に長年、政治家が目をつぶってきたことは明らかだ。不作為に終止符を打ち、国民が納得する対策を講じてほしい。
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