河北抄(6/9):頭部の模様が人の顔のように見えるコイが話…

 頭部の模様が人の顔のように見えるコイが話題になったのは、1990年のこと。写真週刊誌に載った元祖「人面魚」がすむ池は鶴岡市の善宝寺にある。物好きの虫が頭をもたげ、訪ねてみた。5年前の、アヤメが咲く頃と記憶している。

 お札授け所で「人面魚のえさ」に100円払い、ふと横を見ると、御朱印帳が積んであった。これを何となく買い求めたのが、コロナ下の今、役立っている。

 密を避けられる気晴らしとして、キャンプや釣りがブームだという。人気のキャンプ場や釣り船は予約を取るのも一苦労と聞く。その点、御朱印集めなら、思い立った時に出掛けられる。

 個性的な御朱印を眺めると、いろんな風景がよみがえる。金蛇水神社(岩沼市)のボタンの花、塩釜神社から眺めた松島湾、立石寺(山形市)ではハルゼミの声に包まれた。人面魚も元気だった。

 ナマズやカメを押しのけ、餌に食いついていた人面魚。日に1万人を集めたという池は閑散としていた。それにつけても、世情に左右されない楽しみを、魚に教えられた気分である。

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