新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるとはいえ、10都道府県に緊急事態宣言が出され、医療体制が逼迫(ひっぱく)している地域がある。そうした状況下で、東京五輪・パラリンピックを開催する意義とは何か。開催によって高まりかねない感染リスク対策は。菅義偉首相が繰り返す「安全安心」の根拠は。
感染状況を見極めたいという思惑があるのか、五輪開幕まで1カ月半を切ったにもかかわらず、政府や五輪組織委員会からは、科学的知見に基づいた具体的かつ納得のいく説明はなされていない。
「今のパンデミック(世界的大流行)の状況で開催するのは普通ない」「なぜ開催するのかが明確になって初めて、市民が協力しようという気になる。関係者がしっかりしたビジョンと理由を述べることが極めて重要だ」
政府分科会の尾身茂会長の発言は、五輪開催に懐疑的な国民の不安を代弁したものだと言える。
9日の党首討論は、そうした疑問に対して、菅首相が自らの言葉で語り、理解を得る機会でもあった。その期待に応えたかと言えば、不十分だったと言わざるを得ない。
立憲民主党の枝野幸男代表から五輪開催の意義を問われた菅首相は、東日本大震災からの復興の発信に加え、「新型コロナという困難を乗り越えることができたことも日本から世界に発信したい」と述べた。
だが、尾身氏が指摘するように、世界は今もパンデミックのさなかにあり、各地で変異株への置き換えが進む。現状認識が甘すぎないか。
政府、組織委とも観客数の上限を決めて開催する意向とみられる。その場合、政府に求められるのは、関連して増加する人の流れの抑制策だ。
県境を越えて人が移動し、パブリックビューイング(PV)では人が集まり、大声で声援を送ることもあり得る。五輪に誘発されて外出や飲酒の機会が増えることも予想される。夏休みやお盆の時季とも重なる。
それらに伴う感染リスクをどう軽減するのか。人の移動と感染者数の相関関係などのシミュレーションを基に、感染者数が高止まりし、医療体制が逼迫している地域では、県境を越えた移動の自粛や自宅でのテレビ観戦、民間主催のPVの中止の要請などが必要になるだろう。その他の地域も感染対策の徹底は欠かせない。
これらは、尾身氏ら分科会の有志が近く行う提言にも盛り込まれるとみられる。政府は提言を基に、リスク軽減策を早急に公表すべきだ。
大会の成功に、国民の理解と納得は欠かせない。だが、開催を巡る世論は依然として賛否が分かれている。このままでは、大会の機運が十分に醸成されないまま、開幕を迎えることになる。残された時間は少ない。
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