河北抄(6/12):歳時記のような本をパラパラと見ていたら、…

 歳時記のような本をパラパラと見ていたら、ちょっと意外な記述。フランスのブルゴーニュ地方の家々や教会の庭には色鮮やかなアジサイが咲いていて、まるで日本のような風景だそうだ。

 確かに「西洋アジサイ」と呼ぶなあと思って調べてみると、アジサイは日本原産だとか。江戸時代に中国に渡り、1789年、ジョセフ・バンクスという人が英国の植物園に持ち帰った。

 欧州で好まれ、品種改良で多数の園芸種が生まれた。それが逆に日本にも入ってきた。いわば、Uターンアジサイ。もちろん、原種のガクアジサイを改良した日本の品種もいろいろあるようだ。

 <あぢさゐや仕舞のつかぬ昼の酒>。作者はアジサイを見ながら昼酒を飲み始め、だらだらと…という句。現代俳句かと思えば、江戸時代の岩間乙二(おつに)という人の作。白石市の寺のお坊さんだという。 当欄の自宅にもいつ誰が植えたのか不明な年季の入ったアジサイがある。雨降りの休みの日、どこにも行かないで、庭のアジサイを見ながら「仕舞のつかぬ昼の酒」…。ちょっと、憧れる。

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