屋根裏まで届く高い脚立をするすると上っていく。20年以上に及ぶ長期使用で異音がするようになった換気扇を取り外し、新しい物と交換して試運転。ファンが音もなく回りだすまで5分とかからなかった。
5月半ば、川崎町の青根温泉近くの別荘地にある一軒家。住人の三品一則さん(47)がDIY(日曜大工)の出来栄えを見ていた。そばを小川が流れ湿気が多いにもかかわらず、虫が入るため窓の開放がためらわれる立地。「換気扇の24時間使用は田舎では必須だね」。新品が気に入ったようだった。
2018年5月、空き家所有者と移住希望者らをつなぐ町の制度を利用して今の家を借りた。ところが玄関を開けると大家の不用品があふれ、テレビはスイッチを入れると煙が出た。床には虫の死骸が大量に散乱し、水回りも冬場の凍結で配管が破損していた。すぐに住める環境ではなかった。
不用品の多くは壊れた家電製品や家具。業者に廃棄を依頼し、軽トラック2台分を運び出した。虫の死骸は掃除機などで除去。居住できる状態に戻すため、仕事の合間を縫って仙台市から通いでのDIYに乗り出した。
配管の修理に給湯器の更新。エアコンの新調に照明設備を発光ダイオード(LED)に交換…。長く人が住んでいなかった建物の傷みは想像以上で、修繕が必要な場所は30カ所以上に上った。若い頃に電気工事士として働いた経験を生かし、少しずつ再生していった。
最も苦労したのが灯油を保管するホームタンクの設置だった。さび付き、油量計が曇った古いタンクを撤去。新たに基礎を造成しようとしたが、水を入れると固まる即席のコンクリートは素手で混ぜると非常に重い。汗だくになって練りと敷設をひたすら繰り返し、2日がかりでやり遂げた。
修繕費は計約48万8000円。DIYの上、資材はインターネット上で安価な物をそろえたこともあり、業者施工の半額以下に抑えることができた。
不用品の廃棄などのクリーニング代や、引っ越し費用を含めた総額は約73万9000円。町の制度を利用した移住者には補助金が支給されるため、実際は50万円ほどでリフォームと移住が完了した。
「田舎暮らしに修繕は欠かせない。DIYかどうかで経済的には雲泥の差だ」と三品さん。ウッドデッキの補修や庭の整備など、作業はまだまだ続く。
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