ケヤキ並木の新緑が鮮やかな定禅寺通にカメラを向ける。納得のいく絵柄を押さえたら、別の場所へと移動。仙台らしい構図を撮影していく。
快晴の5月末、宮城県川崎町の青根温泉近くの別荘地に住む三品一則さん(47)の姿は仙台市中心部にあった。仕事は企業などのホームページ制作。撮りためた仙台らしさ漂う写真の中から、トップ画面に用いる画像を選ぶのだという。
仕事は自宅でほぼ完結するので来仙は2カ月ぶり。一緒に来た妻尚子さん(36)と昼食を取ろうと、市内に住んでいた頃に訪れたことがある食堂に立ち寄った。市中心部にあるので混雑を想定して正午前を選んだが、以前と違って客が全くいなかった。
川崎町の一部の飲食店には今、仙台市からの客が多数押し寄せる。土日や祝日ともなると駐車場は仙台ナンバーでぎっしり。「新型コロナウイルス禍で逃げ出したくなるのかな。結果的に、いいタイミングで移住したのかもしれない」。両市町の現状を比べ、2018年の決断を振り返った。
自然豊かで、自宅で毎日温泉に漬かることができ、時間に追われない生活。田舎暮らしに憧れる人にとっては楽園に等しいが、もちろんデメリットもある。
一番の問題は日々の食料の買い出しだ。最寄りのスーパーまでは車で20分だが、午後8時に閉まる。村田町や蔵王町、山形市で買い物をすることが多いが、いずれにしても往復1時間コースを強いられる。
当然、夜に空腹を感じたからといって気軽に買いに行くことはできない。そもそも自宅周辺の道は街灯が少なく真っ暗で、野生動物が頻繁に出没する。近くの国道457号で20年、巨大なイノシシやタヌキと衝突しそうになった。以来、夜の運転は控えている。食料は冷蔵庫と別に大きな冷凍庫を買って備蓄に努める。
大けがや急病への懸念もある。消防の出張所からは車で20分。もともと空き家だった築20年以上の自宅はDIY(日曜大工)でリフォームし、これからもメンテナンスは欠かせない。けがをして大量出血ともなれば、仙台市の総合病院まで救急車でも計約80分かかることになる。
「万が一の時に助からないかも、と考えることはある。高齢になったらどうなるかという不安もある」と三品さん。楽園生活は心から気に入っているものの、まだ「ついのすみか」と言えないでいる。
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