河北抄(6/15):朝の通勤時間帯、車体に電飾を付けたトラッ…

 朝の通勤時間帯、車体に電飾を付けたトラックが仙台市中心部を走っていた。通称「デコトラ」。荷台に描かれた人魚の絵と、「七転び八起き」の赤い文字が目を引いた。

 デコトラで思い浮かぶのが、亡き菅原文太さん主演の映画『トラック野郎』シリーズ。第1作『御意見無用』は1975年に公開された。義理人情に厚い主人公の星桃次郎が、大切な人や物を届けるため、危険を顧みずにハンドルを握る。ある作品の穴埋めとして急きょ企画された映画は大ヒットし、79年の『故郷(ふるさと)特急便』まで10本が製作された。

 デコトラを愛するドライバーたちの「哥麿(うたまろ)会」という団体がある。東日本大震災の後、彼らは被災地に救援物資を運び、炊きだしをした。支援活動の一端は、シリーズ全10作の監督で、同会と親交のあった故鈴木則文さんが著書『新トラック野郎風雲録』で触れている。

 困っている人がいたら、見過ごすわけにはいかない。桃次郎のような心意気のトラック野郎たちが被災地に駆け付けたことを、心にとどめておきたい。

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