バラの花咲く再生の庭 陸前高田の男性、地域に開放

バラの手入れをする高沢さん。「花が映えるように」と自宅の壁は白にした

 岩手県陸前高田市小友町の高台にある元中学校教諭高沢豊さん(61)の自宅で、ピンクや赤、白のバラが咲き誇っている。東日本大震災の津波で手塩にかけた庭のバラを失ったが、自宅再建後に再び育て始めた。地域にも開放しており、きれいな花々が訪れた人を喜ばせている。

 バラは約30品種、約40本。濃いピンクの「アンジェラ」は花のトンネルを作り、深紅の「アンクル・ウォルター」は大輪を咲かせている。高沢さんは「手を掛ければ掛けるほど、きれいに咲くのがバラ。枝切りや肥料やりは大変だが、引き込まれる」と目を細めた。

 若い時からバラが好きで、2002年に同市高田町に自宅を構えると「夢だった」バラを庭に植えた。次第にきれいな花を咲かせるようになったが、津波で自宅が全壊し、自慢のバラも流された。震災では姉の玲子さん=当時(57)=と双子の弟実さん=同(51)=が犠牲となった。

 仮設住宅暮らしを経て12年に自宅を新築。翌春に栽培を再開した。15年にオープンガーデンとして開放すると、仮設住宅の時の知り合いや、かつての教え子が次々と訪れた。

 19年に病気のため94歳で亡くなった母ミヨ子さんもバラが好きだった。「『きれいなバラをみんなに見てほしい』が口癖だった。震災前の家の時も新しい庭でも訪れた人たちと花を眺め、おしゃべりを楽しんでいた」と懐かしんだ。

 庭ではバラの育て方などを説明するほか、鉢植えの販売、年間を通じて楽しめるように造花の展示も始めた。高沢さんは「季節ごとに進化するオープンガーデンにしたい。バラの魅力を伝え、多くの人に育ててほしい」と話した。

 見頃は11月まで続く見込み。一般開放は月・水曜を除く午前10時~午後4時。入場無料。

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