海産物 アフリカ内陸へ低温輸送 石巻の団体、タンザニアとウガンダつなぐ

タンザニア・ダルエスサラームの魚市場の様子をオンライン視察するFJとこつこつのメンバーら=6月上旬

 宮城県内の若手漁師らでつくるフィッシャーマン・ジャパン(FJ、石巻市)は、東アフリカのタンザニアの海産物を、内陸の隣国ウガンダまで低温を保って流通させるコールドチェーンの構築に向けた調査と実証事業に着手した。本年度内にタンザニア産の魚介をウガンダの日本料理店で提供する実証輸送を行い、事業性などを検証する。

 FJの販売部門を担うフィッシャーマン・ジャパン・マーケティング(FJM)と、ウガンダで日本料理店などを手掛ける「COTS COTS(こつこつ)」の共同事業。アフリカなどを対象とした農林水産省の「フードバリューチェーン構築実証事業」に採択された。事業費最大1250万円を同省が補助する。

 実証輸送を通じて加工や保管、流通の各段階で課題解決を図る。タンザニア最大の都市ダルエスサラームの魚市場と、こつこつの店があるウガンダの首都カンパラの間は陸路で2、3日かかるといい、空路も検討する。

 こつこつは現地でニーズ調査や関係者との折衝を担当。刺し身など生食を可能にするコールドチェーンを確立するため、FJが輸送ルートや必要な設備などについて助言。新型コロナウイルス下でFJはビデオ会議で現地の魚市場を視察するなどしており、収束すれば現地入りする。

 タンザニアの排他的経済水域(EEZ)は、東アフリカ沿岸諸国の中で最大規模の約20万平方キロ。マグロをはじめクエ、ハタなど海洋資源は豊富だが、冷蔵、冷凍の流通網は十分に整っていない。海の魚を食べるのは沿岸部の住民らに限られ、一部の高級レストランは高い輸送費をかけ欧州から調達しているという。

 こつこつはケニアから魚を仕入れ、すしなどを提供してきたが、入荷は不安定という。清水政宏共同代表は「タンザニアの海産物への期待は高く、川下から漁業振興に貢献したい。輸送法が確立されれば、他の飲食店や小売店への卸も手掛けていく」と話した。

 FJMの土合和樹取締役海外事業部長は「海外輸出を手掛ける中で、現地の魚を現地で適切に流通させる仕組みづくりが必要と感じた。適切な温度管理で届けるノウハウを移転し、豊かな海の幸が有効活用されるようにしたい」と語った。

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