破綻した百貨店「大沼」の内部公開 物品残され引き渡し進まず

ショーケースやレジが残る地下1階

 山形市は16日、昨年1月に経営破綻し、市の外郭団体「市都市振興公社」が同12月に取得した市内の百貨店「大沼」の旧本店内を報道公開した。内部の公開は、昨年7~9月に一部を使って実現した「感謝閉店セール」以来となる。引き渡しを巡る前所有者との交渉が長期化する中、市民の関心に応えて現況を見せた。

 市職員が鉄筋鉄骨9階、地下1階の内部を案内。食品売り場があった地下1階は陳列棚やレジが並び、ショーケースに商品の見本があった。7階のレストランの調理場は閉店当時と変わらず残る。全館停電し、天井が一部剥がれていた。

 前所有者で地元の男性実業家が動産の搬出を終えていない。市側は鍵を受け取ったものの、建物の引き渡しは未了との認識だ。

 建物は築56年で公社の落札額は3億8200万円。活用方法は未定。市は全館改修が8億円以上、1、2階のみを使う場合は4億~5億円と費用を見込む。

 公社顧問の佐藤孝弘市長は10日の記者会見で「動産の所有権を放棄してもらう覚書を前所有者と交わそうと交渉している。進まない場合は裁判所を介した解決を考えたい」と述べた。

 大沼は1700年創業。2018年に東京の投資ファンドが創業家から経営を継いだ。幹部社員らでつくる「大沼投資組合」が19年、男性実業家の支援で経営権を取得。再建を図るも売り上げが回復しなかった。

ショーケースが残る化粧品売り場
調理器具などが積まれた調理場

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